抄録 |
[はじめに]当院は開業15年目になる内視鏡専門クリニックであり、開業後約13000件、昨年は年間1426件の大腸内視鏡検査(TCS)を行った。当院における患者さんに優しい大腸内視鏡検査の取り組みについて述べる。[工夫点]1)患者さんの気持ちを考慮し院内の雰囲気、受付の対応、ユニフォームの色等に配慮している。検査の必要性、sedationを使い苦痛の少ない検査について説明し、身長、体重、排便状態、腹部手術歴、現病歴、既往歴、アレルギー、検査歴等を考慮し検査準備を決定する。2)前処置は基本的に在宅でおこなう。3)検査当日、リラックスできるような音楽とアロマを使用し検査を施行する。同じ看護師が最後まで介助するように担当制をとり、控室からストレッチャーで検査室に移動する。4)使用スコープ:身長、体重、手術歴、前回の状況でPCF-Q260AI,PCF-Q260AZI,CF-Q260AI,CF-Q260ALよりスコープを選択し、柔らかいキャップを装着する。5)前投薬:血圧、酸素飽和度をモニターしながら、オピスタン、ミダゾラムでSedationし炭酸ガス送気で検査開始する。6)挿入法:二木会流、左側臥位のまま、軽度のpushと右ターンでのpull(ツイスト法)、D/Cでのストレートを確認しT/Cに進む(二段階挿入)により体位交換を行なわず挿入する。昨年度挿入時間中央値は2分57秒、挿入率は99.9%であった。7)リカバリー:ストレッチャーで移動し拮抗剤の点滴を行う。8)検査後の説明は覚醒状況を確認後、別室のファイリングにて説明する。9)受付にて飲水後、以下のアンケート調査を行った。[結果および結語]平成22年1月から平成23年12月2年間にTCS受診者 2889人より以下の回答を得た。検査準備(大変でしたか はい14.8% すこし52.7% いいえ32.5%)、検査(苦しい0.9% すこし15.1% 楽だった41.3% わからなかった42.5%)、再検査の受容(希望する98.4% 希望しない1.6%)、次回の麻酔(今回より 強く3.5% 同じ93.7% 弱く2.9%)。 以上のことより、当クリニックのTCSが患者さんに受容できる優しい検査であることが確認できた。 |