セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

バルーン内視鏡を用いたERCP

タイトル 内P-620:

術後再建腸管症例におけるシングルバルーンを用いたERCPのアプローチ法~先端フードの使用について

演者 細野 邦広(横浜市立大附属病院・消化器内科)
共同演者 藤田 祐司(横浜市立大附属病院・消化器内科), 関野 雄典(横浜市立大附属病院・消化器内科), 渡邉 誠太郎(横浜市立大附属病院・消化器内科), 窪田 賢輔(横浜市立大附属病院・消化器内科), 中島 淳(横浜市立大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】術後腸管に対するシングルバルーン式小腸鏡(SIF-Q260,オリンパス)(以下SBE)を用いてのERCPの有用性が報告されているが,有効長の問題から処置内容によりスコープ入れ替えが必要となりその課題も多い.専用先端フードの使用については,スコープ入れ替え時に支障をきたすとことから未装着での検査が一般的であるが,装着状態であれば選択的胆管挿管時のみならず,スコープ挿入の際にも進行方向の確認が容易となり有用と思われる.今回,SBEでの先端フードの有用性を検討した.【方法】先端フードの装着,未装着での目的部位への到達率,到達時間,胆管・膵管へのカニュレーション成功率,処置完遂率を比較検討した.【成績】当院で施行したSBEを用いての術後再建腸管を有するERCP35症例45件を検討した.装着群は10件(2012年11月~2013年3月),未装着群は35件(2011年6月~2012年10月)であった.再建法の内訳は,BillrothII法4例,Roux-en-Y再建30例,膵頭十二指腸切除術+ブラウン吻合11例.到達率は装着群80%,未装着群80%で有意差はなかったが,到達時間は平均17分対32分(P<0.05)で装着群で短かった.カニュレーション成功率は80.0%対57.1%で,処置完遂率は80.0%対54.2%で装着群で高い傾向にあった.偶発症としては装着群で,粘膜裂傷を1例認めたがクリップでの縫縮により保存的に軽快した.なお先端フードは処置終了後,全例回収可能であった.【結論】SBEでのERCPは目的部位到達後,処置のためにオーバーチューブを通してのスコープ入れ替えが必要であったため,先端フードは装着せずに検査を行っていたが,フード装着により検査時間の短縮と処置完遂率の上昇が期待でき,有用であると考えられた.
索引用語 シングルバルーン内視鏡, ERCP