セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

肝・胆道その他1

タイトル 内P-624:

異時性に胆道播種による再発をきたした肝細胞癌の2例

演者 宮下 祐介(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター)
共同演者 石橋 潤一(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 橋本 林太朗(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 青木 隼人(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 二瓶 公佑(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 西条 勇哉(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 中條 恵一郎(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 濱本 英剛(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 水野 浩志(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 奥薗 徹(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 高橋 佳之(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 羽根田 晃(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 佐藤 俊(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 三宅 直人(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 三島 利之(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 松田 知己(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 中堀 昌人(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 石山 秀一(仙台厚生病院・消化器外科), 遠藤 希之(仙台厚生病院・病理診断・臨床検査科), 長南 明道(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター)
抄録 肝細胞癌の肝外転移は,肺やリンパ節,骨などに多く,消化管への転移はまれである.肝細胞癌術後,異時性に胆道播種による再発をきたした2例を経験した.【症例1】60歳代,男性.右胆管内に浸潤する肝右葉,6cm大の腫瘍に対し,拡大肝右葉切除が施行され中分化型肝細胞癌であった.外来での経過観察となっていたが,1年3か月後に全身倦怠感,著明な貧血を認めた.上部内視鏡検査で十二指腸に易出血性の3cm大の発赤隆起性病変を認め,腺癌の診断であった.膵頭十二指腸切除術が施行され,総胆管内腔を充満,十二指腸側に突出する有茎性腫瘍を認めた.組織像は初回の肝細胞癌と相同であり,免疫染色ではAFP,Hep-Par1陽性,CK7,CK19,CEA,CA19-9陰性であり,初回の病変と同様であった.総胆管への付着部では,線維筋層が保たれ,脈管浸襲も認めず,胆管内腫瘍栓が播種した病変と考えられた.【症例2】70歳代,男性. 肝右葉,5cm大の腫瘍に対し,肝右葉切除術が施行され,中分化型肝細胞癌であった.9か月後に急性胆管炎のため当院へ入院.造影CTでは肝左葉に膿瘍,胆管拡張,下部胆管に壁肥厚を認めた.胆道ドレナージで胆管炎は改善,下部胆管壁からの擦過細胞診がClassVの診断であった.外科手術を検討するも,認知症状の進行により困難であった.洞性徐脈による意識消失のため再入院となり,入院経過中に胆管炎の再燃を認めた.保存的に加療を行っていたが,感染を契機に敗血症となり全身状態の改善を認めず永眠された.剖検では胆管内の腫瘍は有茎性で,免疫染色ではCK7,Hep-Par1,GM-CSF陽性,vimentin,CK19陰性であり,初回の病変と同様であった.術後の残肝に病変は認めず,胆道播種と考えられた.
索引用語 胆管, 腫瘍