セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
肝・胆道その他1
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タイトル |
内P-626:成功率の向上と合併症発生頻度の低下を目指した当院における胆管挿管法
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演者 |
田中 克英(北播磨総合医療センター) |
共同演者 |
境 秀樹(北播磨総合医療センター), 家本 孝雄(北播磨総合医療センター), 林 宏樹(北播磨総合医療センター), 堀 順子(北播磨総合医療センター), 佐貫 毅(北播磨総合医療センター) |
抄録 |
【背景と目的】 ERCPにおける胆管深部挿管はカテーテル造影法が基本とされてきたが,近年wire-guided cannulation (WGC)法や膵管guidewire (GW)法も行われ有効性が報告されており,当院では各種の方法を組み合わせた胆管深部挿管を行っている.当院での胆管深部挿管成功率や合併症の頻度を明らかにする.【方法】 2011年4月から2013年2月に当院で施行した胆管造影・処置目的のERCP 215例 (未処置乳頭例)について検討した.対象疾患は胆道結石127例 (59%),悪性腫瘍64例 (30%),良性胆道狭窄20例 (9%),その他4例 (2%)であった.胆管挿管前に乳頭を詳細に観察し,カテーテルのtouch pointや予測される胆管走行部位を推測した.深部挿管は造影法を基本としたが,乳頭開口部や口側隆起の形態に応じWGC法も選択した.膵管が造影された場合は早期に膵管GW法に切り替えた.この段階でも不可能な場合にprecutを行った.乳頭浮腫や主膵管内に造影剤残存がある場合はERCP膵炎予防目的で膵管ステントを留置した.【成績】 深部胆管挿管成功率は99.5% (214/215)であった.手技の内訳は造影法113例 (53%),WGC法30例 (14%),膵管GW or stent法66例 (31%),precut 5例 (2%)であった.ESTは95例 (44%)に施行し,予防的EPSは30例 (14%)で留置した.合併症は軽症膵炎2例 (0.9%)と低く,消化管穿孔や肺炎などの合併症は認めなかった.腹痛を伴わない高膵酵素血症を39例 (18%) に認めたが,膵管GW留置下の手技で18例 (29%)と頻度が高く,造影法では16例 (14%),WGC法では1例 (3%) と低い傾向にあった.【結論】 胆管深部挿管に際し通常の造影法に拘泥せず,より早期に方法を変更することで高い挿管率を得ることができた.また従来の報告と比べ,ERCP膵炎の発症頻度は低かったが,膵管GW法では高膵酵素血症の頻度が高く,膵管へのアプローチは必要最小限にとどめることが求められる. |
索引用語 |
内視鏡手技, ERCP |