セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

肝・胆道その他1

タイトル 内P-627:

経皮経肝胆道鏡(PTCS)が診断及び治療に有効であった4例

演者 北山 素(国立嬉野医療センター・消化器内科)
共同演者 角川 淑子(国立嬉野医療センター・消化器内科), 竹下 枝里(国立嬉野医療センター・消化器内科), 三根 祥一郎(国立嬉野医療センター・消化器内科), 磯田 広史(国立嬉野医療センター・消化器内科), 白石 良介(国立嬉野医療センター・消化器内科), 有尾 啓介(国立嬉野医療センター・消化器内科), 綱田 誠司(国立嬉野医療センター・消化器内科)
抄録 【はじめに】経皮経肝胆道鏡(PTCS)は経皮経肝胆道ドレナージより胆道鏡を挿入する手技である.近年ERCP関連手技の進歩と普及によりPTCSの機会は減少傾向にある.今回PTCSが有用であった4例を経験したので報告する.【症例1】70代,男性.食道癌術後胃管癌で胸壁前食道回結腸空腸吻合術の既往あり.総胆管結石を認めていたが経乳頭的処置,外科的治療も困難で経過観察となっていた.胆管炎を反復するためPTCSを行い総胆管内の結石除去できた.【症例2】70代,男性.総胆管結石症,胆嚢結石症に対して開腹手術,内視鏡治療歴がある.閉塞性化膿性胆管炎のため入院.CTで3cm大の総胆管結石と多数の肝内結石を認めた.外科的肝内結石除去治療を考慮したが,胆管手術の既往のため困難でありPTCSを選択した.鉗子を用い結石を総胆管に移動した後に十二指腸へ落下させることで多数の結石除去に成功した.【症例3】20代,女性.右季肋部痛あり肝内結石症の診断.ERCPで右肝管は嚢状に拡張し内部に2cm大の結石を認めた.外科治療を考慮したが,若年であり侵襲が少ないPTCSを選択した.右肝管内に結石を認め鉗子を用いて除去した.右肝管粘膜の一部に乳頭状の変化を認め,生検で過形成性変化の診断.経過観察中である.【症例4】60代,男性.黄疸と上腹部痛あり,CTで左葉に限局した肝内胆管拡張を認めた.ERCPでは左肝内胆管はびまん性に拡張していた.管腔内超音波検査を施行するも診断困難であったためPTCSを行った.左肝管には白色粘膜が多量に付着しており顆粒状の粘膜変化を認め生検施行.intraductal papillary neoplasia of the bile duct(IPNB)が疑われたが過形成性変化との鑑別が困難であった.再検により過形成性変化の診断に至り経過観察中.【考察】PTCSは経口胆道鏡(POCS)と比較して,鮮明な画像および良好な操作性が得られる.ERCP困難例,または胆管の詳細な観察が必要な際にPTCSは有用である.
索引用語 PTCS, 肝内結石症