セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

肝・胆道その他1

タイトル 内P-628:

肝動脈化学塞栓術施行後,発症したHelicobactor cinaedi菌血症の1例

演者 建部 英春(犬山中央病院・消化器内科)
共同演者 寺倉 陽一(犬山中央病院・消化器内科), 中江 治道(犬山中央病院・消化器内科), 高井 光治(岐阜大・消化器病態学)
抄録 症例は74歳,男性.平成24年8月より肝硬変(原因は潜在性B型肝炎を疑う),肝細胞癌(S6,S8)の診断にて,肝動脈化学塞栓術(trancecatheter arterial chemoembolization:TACE),経皮的ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:RFA)を繰り返していた.平成24年11月に腹部CT検査(造影)にて肝細胞癌再発を認め,平成24年12月に3回目のTACE施行した.治療レジメンはシスプラチン(商品名;アイエーコール)100mgを肝動注とした.TACE 0PODよりCefmetazole Sodium(商品名;セフメタゾン) 投与開始し,3PODで投与中止した.TACE 6PODに発熱をきたし,血液生化学検査にて,WBC,CRPは軽度上昇を認め,血液培養検査施行した.抗生剤はCefcapene pivoxil hydrochloride hydrate (商品名;フロモックス) 投与開始した.TACE 10PODに解熱し,WBC,CRPも低下傾向となった.血液培養検査結果にてHelicobactor cinaedi (PCR;保険適応外)が検出され,Helicobactor cinaedi菌血症と診断した.病因としてはTACEにより一時的に免疫抑制状態(compromised host)となったことよりBacteria Translocationをきたし,発症したものと推測された.現在,発熱なく,WBC,CRPも正常化し,外来にて経過観察中である.【考察】肝動脈化学塞栓術施行後,発症したHelicobactor cinaedi菌血症の1例を経験した.Helicobactor cinaedi菌血症は近年,報告は稀であり,文献的考察を含めて報告する.
索引用語 Helicobactor cinaedi, TACE