セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

肝・胆道その他2

タイトル 内P-631:

Wall Flex Stentを用いた磁石圧迫吻合術(山内法)が有効であった術後胆管閉塞の2例

演者 中津 智子(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科)
共同演者 石井 俊哉(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 末谷 敬吾(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 鈴木 碧(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 足立 香代(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 根岸 龍二郎(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 岡本 賢(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科), 諏訪 敏之(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器外科), 熊野 玲子(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・放射線科), 中野 浩(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器外科), 山内 栄五郎(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・放射線科), 佐藤 明(聖マリアンナ医大横浜市西部病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】今回我々は術後胆管閉塞に対し磁石圧迫吻合術(山内法)を施行する際, 一時的なWall Flex Stent留置が有用であった2例を経験したので報告する.【症例1】84歳, 男性. 肝細胞癌で右前区域切除術を施行されたが, 術後胆汁瘻を来しS6+7近位の完全閉塞を認めたため, 内瘻化目的で紹介受診となった. PTCDにて7Frのチューブを留置. その後, 徐々にフレンチアップを行い, 16Frまでサイズアップしたところで山内法を施行した. 親磁石を留置する際, EPBDを行うも磁石が通過せず, 一時的にWall Flex Stentを挿入し乳頭拡張後に留置した. 以後レントゲンで磁石の距離を確認し, 吻合形成を判断した時点でERCP下に磁石を回収. その後は閉塞性黄疸や胆管炎は認めず, 外来でPTCDチューブの定期交換を行なっている.【症例2】44歳, 男性. 胆嚢摘出術後に胆嚢管縫合不全を認め, 再手術. その後, 閉塞性黄疸を来し術後胆管狭窄の診断で紹介受診となった. PTCDにて8Frのチューブを留置, 14Frまでサイズアップしたところで山内法を施行した. 前医でESTを施行されていたが, 症例1の経験を生かしWall Flex Stent挿入後に親磁石を留置した. 経過観察中に子磁石側のガイドワイヤーが切れてしまったが, 吻合形成はされていたためERCP下に磁石を回収した. その後外来でPTCDチューブの定期交換を行なっている. 【考察】山内法は, 強力な希土類永久磁石を腸管や胆管内腔へ留置し, 吸着させておくことにより自然に吻合を形成する手技である. 術後胆管閉塞にも用いるが, 経十二指腸乳頭的に磁石を留置する際, ESTやEPBDを行なっても難渋する場合がある. このような際, 一時的なWall Flex Stent留置は乳頭が拡張され, さらに胆管が直線化されるため有用であると考えられた.
索引用語 山内法, 胆管閉塞