セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

肝・胆道その他3

タイトル 内P-636:

経口直接胆道鏡下に治療した先天性胆道拡張症術後肝内結石の1例

演者 林 晋太郎(一宮西病院・消化器内科)
共同演者 森 昭裕(一宮西病院・消化器内科), 蜂谷 紘基(一宮西病院・消化器内科), 湯村 崇之(一宮西病院・消化器内科), 武石 宗一(一宮西病院・消化器内科), 野嵜 昌(一宮西病院・消化器内科), 伏見 宣俊(一宮西病院・消化器内科), 大橋 憲嗣(一宮西病院・消化器内科), 吉田 篤生(一宮西病院・消化器内科)
抄録 【症例】19歳女性 【主訴】腹痛,発熱 【既往歴】7歳時に他院にて先天性胆道拡張症と診断され,肝外胆管切除および肝管十二指腸吻合術が施行された.以後数年間通院を続けていたが問題なく経過しフォロー終了となった.【現病歴】3年前よりときおり腹痛を自覚するようになり,平成25年1月頃より頻回に出現する腹痛と発熱を主訴に当院を受診した.腹部CT検査にて肝内に多発する高吸収病変と肝内胆管の拡張,血液検査にて炎症反応高値を認め,多発肝内結石とそれに伴う急性胆管炎を疑い入院となった.【経過】抗生剤投与により胆管炎が改善したのちに内視鏡的逆行性胆道造影を行った.吻合部は十二指腸球部に存在し細径内視鏡を比較的容易に挿入できた.左右肝管,右前後区域枝にそれぞれ透亮像を認め,一部の結石は内視鏡で確認しえた.後日複数回にわたり細径内視鏡による直接経口胆道鏡下に切石術を施行した.【考察】先天性胆道拡張症術後の肝内結石の発生率はおおむね7~8%とされ,治療として経皮経肝胆道鏡下切石術と肝切除術が標準術式として定着してきている.しかし,治療後の結石再発や遺残胆管癌の発生など本疾患はひとたび発症するとその治療に難渋することが多い.経口直接胆道鏡は低侵襲で繰り返し検査,治療が可能であることから有用性が高いと考えられるが,これまで本疾患に対し施行された報告はない.本症例は先天性胆道拡張症術後の長期合併症や肝内結石の治療を考える上で興味深い1例と考えられ,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 直接経口胆道鏡, 肝内結石