セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

その他-鎮静

タイトル 内P-640:

塩酸ペチジンおよびジアゼパムを用いた消化器内視鏡鎮静の副作用についての検討

演者 橋口 一利(嶋田病院・内科)
共同演者 蔵元 誠子(嶋田病院・内科)
抄録 【目的】当院では,内視鏡検査における苦痛軽減を目的に鎮静剤・鎮痛剤の静脈投与を行っている.副作用としての呼吸抑制については各施設で十分に監視されているところであるが,注射部位の血管痛や静脈炎の発症率についてはあまり報告がない.われわれは,検査後に注射部位の発赤・疼痛で来院された症例を経験したことから,血管痛や静脈炎の発症頻度を明らかにするとともに,予防法についての検討をおこなったので報告する.
【方法】期間A(2009年1月1日~2009年12月31日)と期間B(2011年11月30日~2012年6月8日)に入院外来を問わず内視鏡検査目的の自力歩行可能な鎮静剤・鎮痛剤を使用したそれぞれ1834例と1130例.鎮静剤はジアゼパムで75歳未満は10mg静注,75歳以上は5mg注,鎮痛剤は塩酸ペチジン35mg静注.期間Aでは塩酸ペチジン投与後に続けてジアゼパムを投与,期間Bでは塩酸ペチジン投与後にヘパリン生食でフラッシュしてからジアゼパムを投与した.観察項目は,注射部位,注射直後の蕁麻疹・呼吸抑制・血管痛の程度,注射2時間後の頭痛・嘔気嘔吐・ふらつき・静脈炎の程度を異常なし,軽度,中等度,高度の4段階で評価し,期間AとBを比較した.
【成績】蕁麻疹は0.3%,呼吸抑制は21%にみられた.血管痛(軽度)は全体で37.6/36.9%(期間A/B),注射部位別にみると尺側17.1/37.5,橈側35.7/33.3,正中23.4/11.9,手背63.7/43.2,前腕48.3/33と期間Bで減少傾向であった.静脈炎(中等度)は全体で3.7/0.1,尺側2.4/0,橈側1.6/0,正中1.9/0,手背1.3/0,前腕11.2/0.1と期間Bで減少傾向であった.
【結論】塩酸ペチジンとジアゼパムによる鎮静では,血管痛が高頻度で起こる.呼吸抑制は従来指摘されている通りであるが,適切な呼吸管理で対処可能である.塩酸ペチジンとジアゼパムを混合させないことで血管痛や静脈炎の発生を減らす可能性がある.
索引用語 鎮静剤, ジアゼパム