セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

その他-抗血栓薬2

タイトル 内P-647:

新ガイドライン発表後の抗血栓薬内服患者におけるESD後出血の検討

演者 中野 利宏(岸和田徳洲会病院・消化器内科)
共同演者 松浦 幸(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 中道 太郎(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 永田 充(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 中村 彰宏(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 馬場 慎一(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 滝原 浩守(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 柳原 恵梨(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 井上 太郎(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 植田 智恵(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 尾野 亘(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 豊永 高史(神戸大・光学医療診療部)
抄録 【目的】2012年7月に抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインが,発表された.発表後に当院で施行された抗血栓薬内服患者のESDについて検討し,新ガイドラインを評価する【方法】2012年8月から2013年2月までに当院でESDを施行した206例のうち抗血栓薬内服群と非内服群とで患者背景,後出血(吐下血のために緊急内視鏡を必要としたもの)率について検討した.【結果】206例中49例(23.8%)で抗血栓薬の内服を認めた.抗血栓薬内服の内訳(重複あり)はアスピリン55.1%(27/49),チエノピリジン12.2%(6/49),その他の抗血小板薬26.5%(13/49),抗凝固薬20.4%(10/49)で16.3%(8/49)で複数の抗血栓薬を内服していた.部位(食道/胃/十二指腸/大腸)は内服群(3例/31例/0例/15例),非内服群(14例/101例/1例/41例)であった.後出血はすべて内服群で10.2%(5/49),非内服群では認めなかった(0/157).内服群のうち後出血例では部位はすべて胃16.1%(5/31)でその他の部位では認めなかった(0/18).内服群のうち抗血小板薬継続群の後出血は16.7%(1/6),中止群は9.3%(4/43)で両群間に差は認めなかった.ヘパリン化群の後出血は12.5%(1/8),非ヘパリン化群は9.8%(4/41)で両群間に差は認めなかった.【結論】抗血栓薬内服患者では後出血率が高く,部位としては胃が多かった.抗血小板薬継続やヘパリン化による後出血率の上昇は認めず,抗血栓薬の休薬による血栓塞栓症の誘発に配慮した新ガイドラインは妥当であると考えられた.
索引用語 抗血栓薬, ESD