セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

その他-抗血栓薬2

タイトル 内P-648:

抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン適用の現状と問題点

演者 河野 吉泰(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学)
共同演者 岡田 裕之(岡山大病院・光学医療診療部), 三浦 公(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 神崎 洋光(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 小林 沙代(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 堀 圭介(岡山大病院・光学医療診療部), 喜多 雅英(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 筑木 隆雄(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 松原 稔(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 川野 誠司(岡山大病院・光学医療診療部), 那須 淳一郎(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 河原 祥朗(岡山大病院・光学医療診療部), 山本 和秀(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学)
抄録 【目的】当院での内視鏡検査・治療における抗血栓薬取扱いの現状を調査し,2012年7月に作成された新ガイドラインの現状と問題点について検討した.
【方法】2012年7月から2012年12月までの間に当院で施行された抗血栓薬内服中の内視鏡検査・治療435例(平均年齢72歳,男/女287/148例)を対象とした.新ガイドラインに沿って出血危険度・血栓塞栓症の危険度を分類し,抗血栓薬の取扱いをガイドライン遵守/逸脱例に分類した.また出血合併症・血栓塞栓症の発生頻度を検討した.
【成績】検査内容は通常消化器内視鏡(以下EGD)278例,生検108例,出血高危険手技49例(咽頭ESD 1例,食道ESD 7例,胃EMR・ESD 20例,大腸EMR・ESD 21例)であった.各々のガイドライン遵守例の割合はEGD 196例(70.5%),生検64例(59.3%),高危険手技22例(45%)であった.出血合併症を6例(全症例の1.4%)に認め,全てが高危険手技であり,うち4例がヘパリン置換例であった.すべて内視鏡的処置で止血可能であった.血栓塞栓症高リスク293例のうちガイドライン逸脱例は99例(33.8%)あり,95例(96%)は不要な休薬をしていた.その内訳はEGD 37例(13%),生検39例(36%),高危険手技19例(39%)であった.血栓塞栓症は1例も認めなかった.
【結論】新ガイドライン適用下でも粘膜生検は安全に施行可能であったが,高危険手技については特にヘパリン化を要する症例で出血合併症の頻度が高く,今後検討が必要と思われた.血栓塞栓症高リスク症例において,EGDに比較して生検や治療内視鏡の際は休薬をし過ぎる傾向が見られたが,血栓塞栓症は認めなかった.そのリスク評価についてはさらなる症例集積が必要である.
索引用語 抗血栓薬, ガイドライン