セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)その他-抗血栓薬2 |
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タイトル | 内P-650:抗血栓薬服用患者に対する上部消化管粘膜生検の安全性の検討 |
演者 | 藁谷 雄一(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科) |
共同演者 | 渡辺 晃(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 引地 拓人(福島県立医大附属病院・内視鏡診療部), 高木 忠之(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 佐藤 匡記(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 中村 純(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 杉本 充(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 菊池 眸(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 紺野 直紀(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 小原 勝敏(福島県立医大附属病院・内視鏡診療部), 大平 弘正(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科) |
抄録 | 【目的】当院では,2012年7月の「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン(新ガイドライン)」発表以前は,止血処置が可能な医師に限定して抗血栓薬継続下の粘膜生検を施行してきた.新ガイドライン発表後は,2012年8月に院内マニュアルを改訂し,抗血栓薬を継続して生検を施行している(ワルファリン服用者では当日の PT-INRが3.0以下を確認).今回,抗血栓薬服用者に対する上部消化管粘膜生検の安全性と新ガイドラインの妥当性を検討した.【方法】2011年11月から2012年10月に上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行された3099例中,粘膜生検を施行された405例(13.1%)を対象とし,抗血栓薬非服用者,抗血栓薬継続者,休薬者,ヘパリン置換者に分類し,生検直後の止血術,生検後出血,休薬による血栓塞栓症発症について比較検討した.【成績】抗血栓薬服用者は16.0%(65例)であり,単剤46例,多剤併用19例であった.抗血栓薬服用者の生検時対応は,抗血栓薬継続者48.0%(31例),抗血栓薬休薬者52.3%(34例),ヘパリン置換者12.3%(8例)だった.生検直後の止血術は,抗血栓薬非服用者2.4%(8/340),抗血栓薬継続者9.7%(3/31),抗血栓薬休薬者とヘパリン置換者は0%であった(非服用者 vs 継続者:P = 0.02).止血処置はトロンビン散布3例,うち1例でクリップ止血を施行されていた.生検後出血,血栓塞栓症は認めなかった.しかし,心房細動に対してワルファリンを処方されていたが,休薬の上 EGDを施行された1例が,翌日に脳梗塞を発症し永眠された.【結論】抗血栓薬服用継続者においても,上部消化管粘膜生検後に消化管出血をきたした症例はなく,生検の安全性に問題はないと思われた.また,生検例ではないが,ワーファリン休薬者で脳梗塞を発症した.したがって,新ガイドラインに準じた,抗血栓薬継続下の粘膜生検は妥当と思われた. |
索引用語 | 生検, 抗血栓薬 |