セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

悪性肝門部胆道ドレナージ1

タイトル 内P-657:

非切除肝門部悪性胆道狭窄に対する胆道ステント留置術の検討

演者 岸本 有為(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
共同演者 岡野 直樹(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 岩崎 将(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 原 精一(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 宅間 健介(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 三村 享彦(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 伊藤 謙(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
抄録 (目的)肝門部悪性胆道狭窄に対して,両葉の胆管拡張を認めた症例に金属ステント(SEMS)を留置術,両葉と片葉ドレナージをの臨床効果について検討した. (対象)2004年1月から2013年3月まで当科にて肝門部悪性胆道狭窄65例(肝門部胆管癌32例,胆嚢癌12例,肝門部リンパ節転移6例,原発性肝癌や転移性肝癌等の肝腫瘍15例を対象とした.ステント留置両葉は47例,片葉は18例であった.適応は,CT所見で両葉の胆管が拡張認めることと,BismuthII以上の症例とした.当科では,2005年から金属ステントによるマルチステンティングを目標に施行しており,原則としてPSを1~2週間留置後にuncovered typeのSEMSを留置している.SEMSは初期にJo stentを,後期にZilver stentを使用した.(成績)ステント両葉群・片葉群別の累積開存率を,カプランマイヤー法で検討した.両葉群で50%開存期間延長を認め,ログランクテストで有意差を認めた(p<0.0505).また,生存期間は抗腫瘍群とBSC群の累積生存期間は,BSC群で,50%生存期間延長を認めたが,ログランクテストでは有意差は認めなかった(p=0.1500).抗腫瘍群とBSC群の累積開存期間は,BSC群で,50%開存期間延長を認め,ログランクテストで有意差を認めた(p<0.0296).閉塞原因は,胆泥・in growthなどであった.死亡原因で,片葉群では2例胆管炎での死亡を認めた.両葉群では胆管炎での死亡は認めなかった.(結論)SEMSを留置したステント両葉群は開存期間延長させ,抗腫瘍療法群は生存期間を延長する可能性あるが,生存中にステント閉塞を起こしやすい.片葉群は術後胆管炎が発症しやすい可能性がある.以上より可能な限り両葉ドレナージを施行することが望ましいと考えられた.
索引用語 肝門部悪性胆道狭窄, 金属ステント(SEMS)