セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
悪性肝門部胆道ドレナージ1
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タイトル |
内P-659:非切除悪性肝門部胆道狭窄に対するpartial stent-in-stent法による内視鏡的両葉金属ステント留置術の検討
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演者 |
川久保 和道(北海道大大学院・消化器内科学) |
共同演者 |
河上 洋(北海道大大学院・消化器内科学), 桑谷 将城(北海道大大学院・消化器内科学), 阿部 容子(北海道大大学院・消化器内科学), 工藤 大樹(北海道大大学院・消化器内科学), 羽場 真(北海道大大学院・消化器内科学), 坂本 直哉(北海道大大学院・消化器内科学) |
抄録 |
【背景】非切除肝門部悪性胆道狭窄に対する胆管ドレナージ術は,その方法やステントの種類に関して解決すべき問題が多い.【目的】今回われわれは,partial stent-in-stent法による内視鏡的両葉金属ステント(SEMS)留置術の成績を後方視的に検討した.【方法】2010年1月~2013年3月までの間,非切除胆道癌によるBismuth分類II以上の肝門部狭窄で,partial stent-in-stent法による内視鏡的両葉SEMS留置術を試みた41例(男25,年齢中央値73歳(48-87),原発巣:胆嚢21,胆管20例,使用ステント:Braided 15,Laser-cut 28個,Bismuth分類II/III/IV 17/15/9)を対象とした.検討項目は,1.両葉SEMS留置成功率,2.SEMS閉塞率,SEMS開存期間,3.偶発症,およびそれぞれに寄与する因子(既ドレナージ術の有無,SEMSの種類,原発巣,Bismuth分類)を検討した.【結果】1.両葉SEMS留置は37例(90.3%,95%信頼区間(CI):77.5-96.1)で成功した.不成功理由は,1本目のSEMSのmeshをガイドワイヤー(GW)が通過不可能1例,GW通過後に2本目のSEMSが通過不成功3例.両葉SEMS留置術の不成功に関わる有意な因子は抽出されなかった.2.観察期間中に,ステント閉塞が13例(31.7%)にみられた(ingrowth 12,胆泥1).SEMS開存期間中央値は171日(95%CI:117-285)であり,Bismuth III以上では開存期間が短い傾向にあった(ハザード比3.09,95%CI:0.92-11.9,P=0.068).3,偶発症は8例(19.5%)にみられ,区域性胆管炎3例,胆嚢炎2例,肝膿瘍1例,グリソン鞘損傷1例,ERCP後膵炎1例であった.偶発症発生に関わる有意な因子は抽出されなかったが,区域性胆管炎はBismuth III以上のみに認められた.【結語】partial stent-in-stent法による内視鏡的両葉SEMS留置術は,原疾患やSEMSの種類に関わらず,高い成功率を示し,良好な開存期間を示した.Bismuth III以上の狭窄では,開存期間が短い傾向にあり,区域性胆管炎の合併が多かった. |
索引用語 |
内視鏡的胆道ドレナージ, 両葉金属ステント留置 |