セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)悪性肝門部胆道ドレナージ2 |
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タイトル | 内P-662:内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)2本留置後に腹腔鏡下拡大肝右葉切除を施行した肝門部胆管癌の一例 |
演者 | 中平 伸(関西労災病院・外科) |
共同演者 | 武田 裕(関西労災病院・外科), 橋本 直佳(関西労災病院・外科), 松下 克則(関西労災病院・外科), 日馬 弘貴(関西労災病院・外科), 革島 洋志(関西労災病院・外科), 向井 洋介(関西労災病院・外科), 浜中 美千子(関西労災病院・外科), 沖代 格次(関西労災病院・外科), 竹野 淳(関西労災病院・外科), 向坂 英樹(関西労災病院・外科), 鈴木 玲(関西労災病院・外科), 谷口 博一(関西労災病院・外科), 柄川 千代美(関西労災病院・外科), 加藤 健志(関西労災病院・外科), 田村 茂行(関西労災病院・外科) |
抄録 | 【はじめに】肝門部胆管癌に対する手術は肝葉切除以上の肝切除が必要となり,術前の減黄と胆管炎のコントロールが重要である.近年,術前胆道ドレナージではENBDが最良であるという報告が散見される.今回,ENBDによる減黄にて短期間で鏡視下根治術が施行可能であった症例を経験したので報告する.【症例】60歳,男性.胆管炎による敗血症にて近医に入院した.ERCPにて上部胆管に約1.5cmの狭窄を認めたとして,減黄のために右肝管にプラスチックステントを留置された.また,狭窄部の細胞診にて腺癌の像を認め胆管癌と診断された.その後も減黄および感染のコントロール不良で,黄疸は増悪傾向であったため,当院紹介となった.転院後にERCP施行したところ,前医にて左肝管と判断されていたのは左尾状葉枝であった.腫瘍性狭窄は左右肝管合流部に及んでいたため,ENBDを左右肝管に1本ずつ留置し全肝ドレナージを施行した.予定術式は拡大肝右葉切除であったが,左葉が比較的大きく残肝容積は48.5%であったため,門脈塞栓術は必要でなかった.ENBDを2本留置後は減黄良好で転院後22日目に根治術を施行した.腫瘍の進展範囲は左肝管切離予定線から余裕があったため,手術は完全腹腔鏡下に施行することとした.手術は左側臥位腎高位,5ポートにて施行.肝右葉および尾状葉を完全脱転した後にKocher授動を行い,リンパ節を廓清.右肝動脈と右門脈を個別処理し,ハーモニックスカルペル,バイクランプにて肝実質切離.右肝静脈を切離後に左肝管切離し病変摘出した.鏡視下で肝管空腸連続吻合を行った.手術時間14時間27分,出血量100g,経過良好にて術後16日目に退院となった.【結語】ENBDの2本留置により良好な減黄と胆管炎の加療効果がえられ,腹腔鏡下拡大肝右葉切除を施行した肝門部胆管癌の一例を経験した. |
索引用語 | ENBD, 肝門部胆管癌 |