セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管癌診断・胆管癌治療1

タイトル 内P-664:

胆道癌に対する内視鏡的ドレナージ方法の検討

演者 古本 洋平(都立墨東病院・内科)
共同演者 石橋 史明(都立墨東病院・内科), 上山 俊介(都立墨東病院・内科), 外山 雄三(都立墨東病院・内科), 間野 真也(都立墨東病院・内科), 村山 巌一(都立墨東病院・内科), 堀内 亮郎(都立墨東病院・内視鏡科), 浅野 徹(都立墨東病院・内科), 佐崎 なほ子(都立墨東病院・内科), 真栄城 剛(都立墨東病院・外科), 忠願寺 義通(都立墨東病院・内科), 藤木 和彦(都立墨東病院・内科)
抄録 【目的】胆道癌に対する胆管ドレナージ法について,当院での施行例をretrospectiveに検討した.【対象】2007年1月より2012年12月までの間に胆道癌に対して内視鏡的胆管ドレナージを施行した74例【結果】平均年齢71.9歳,男性40例,女性34例,肝内~上部胆管癌 36例(49%),中下部胆管癌 34例(46%),胆嚢癌 4例(5%).Plastic stent(PS)使用例57例(77%),metalic stent使用例 20例(27%),ENBD使用例 29例(39%).手術例 26例と非手術例48例を比較すると非手術例でステント使用例が多く,手術例でENBDが多かった.手術例を部位別にみると,肝内~上部胆管癌ではENBDが7/10例(70%)と中下部胆管癌の7/15例(46.7%)に比して多く,中下部胆管癌ではPSが10/15例(66.7%)と肝内~上部胆管癌の5/10例(50%)に比して多かった.ステントトラブルは下部胆管癌のみの5例(33%)に認めた.うち4例で9-27日と早期にトラブルを認め,確実な減黄にはENBDが望ましいと思われた.非手術例を部位別にみると,肝内~上部胆管癌ではPSが19/26例(73%)とMSの7/26例( 27%)に比して多かったが,中下部胆管癌ではMSが11/19例(58%)とPS 8/19例(42%)に比して多かった.肝内~上部胆管癌では中下部胆管癌に比してステントを複数要する例,経皮的ドレナージを要する例,ステント閉塞・逸脱などのトラブル例が多く,ステント留置に難渋していることが,MS挿入を躊躇する一因となっていると考えられた.【結語】手術例では術前の減黄を確実に行うためにENBDが望ましいが,手術まで長期間要する例やENBDの自己抜去が予想される例などではステントの使用が考慮される.非手術例では,できる限りMSの使用が望ましいが,ステントを複数要する例や,トラブル時にステント再挿入が困難と予想される例ではPSの使用も検討される.ステント挿入技術の向上も今後の課題である.
索引用語 胆道癌, 内視鏡的ドレナージ