セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胆管癌診断・胆管癌治療1
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タイトル |
内P-665:当院における非切除悪性胆道狭窄に対する内視鏡的金属ステント留置術
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演者 |
玄 泰行(京都府立与謝の海病院・消化器科) |
共同演者 |
土肥 萌由(京都府立与謝の海病院・消化器科), 井上 健(京都府立与謝の海病院・消化器科), 土肥 統(京都府立与謝の海病院・消化器科), 城 正泰(京都府立与謝の海病院・消化器科), 時田 和彦(京都府立与謝の海病院・消化器科) |
抄録 |
背景)悪性胆道狭窄は予後不良な病態であり,QOL改善および化学療法施行の点から低侵襲で,安定した減黄が望まれ,内視鏡的金属ステント(EMS)留置術は一般的に行われている.目的)当院における切除不能悪性胆道狭窄に対するEMS留置の現状を評価し,問題点を明らかにする.対象)2007年1月から2012年12月までに当科で施行した非切除悪性胆道狭窄症例62例のうち,経過が追えた57例(肝門部16例(胆管癌8例,胆嚢癌5例,肝内胆管癌2例,転移性肝癌1例)/中下部胆管41例(膵癌17例,胆管癌17例,乳頭部癌2例,リンパ節転移3例,胆嚢癌2例)(年齢中央値80歳(54-96),男女比(23:34).評価項目)EMS開存期間を化学療法の有無,ESTの有無,ステントの種類で比較検討し,EMS閉塞原因及び問題点を明らかにした.また,生存期間をPalliative performance score (PAP score)で比較検討した.結果)肝門部症例及び中下部胆管症例のステント開存期間の中央値はそれぞれ215日,330日であった.肝門部症例では16例中12例で両葉ドレナージをしえたが,片葉ドレナージの4例中2例で非ドレナージ胆管への胆管炎を発症し,EMSまたはPTBDによる追加処置を要した.中下部胆管症例において開存期間は化学療法,ESTの有無,ステントの種類(covered 13例/uncovered 28例)で差を認めなかったが,全症例で,死亡までにステント閉塞に対するreinterventionが必要であったのは19例で17例は癌のingrowth/overgrowth,2例はsludgeであり,うち5例は十二指腸変形・狭窄を伴い,手技が困難となる傾向があった(2例は十二指腸ステント留置).全症例の生存期間の中央値は193日,PAP scoreが5点以上の症例は生存期間中央値53日と有意に短かった(P<0.001).結語)EMSによる減黄は有効であるが,ステント閉塞は癌の進行に伴うことが多く,reinterventionは困難となることがあった.PAP scoreが高値の症例は予後が短く,適応を検討する必要が考えられた. |
索引用語 |
悪性胆道狭窄, 胆管ステント |