セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胆管癌診断・胆管癌治療1
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タイトル |
内P-667:当院における内視鏡的逆行性胆道ドレナージチューブ(ERBD tube)留置症例に関する検討
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演者 |
吉村 光太郎(関中央病院・内科) |
共同演者 |
大西 祥代(関中央病院・内科), 安江 晃子(関中央病院・内科), 古田 守(関中央病院・内科), 植松 孝広(関中央病院・内科), 斎藤 雅也(関中央病院・内科), 松友 将純(関中央病院・外科), 山内 希美(関中央病院・外科) |
抄録 |
[目的] 近年高齢者の増加に伴い,内視鏡的治療や外科的治療困難な基礎疾患を伴う胆膵疾患の症例が増加している.従来閉塞性黄疸症例に対するERBD tube留置は再閉塞による胆道感染再発が他の治療よりも多く,長期的な留置症例においては定期的な交換が必要とされている.当院におけるERBD tube留置症例において年齢,性別,原疾患,手技時間,ERBD tube留置に伴う合併症の有無やチューブ閉塞による胆道感染再燃の有無や期間について検討した.[対象] 平成20年3月から平成25年2月までに当院においてERBDを留置した24症例(重複症例を含む).年齢は62歳から95歳で平均82歳.性別は男性15例,女性9例.原疾患は総胆管結石による閉塞性黄疸16例,膵腫瘍5例,胆管腫瘍による閉塞性黄疸2例,急性胆嚢炎による総胆管圧排1例.ERBD挿入によるドレナージのみとした理由としては,重度の寝たきりのため体位保持困難3例,超高齢者や予後不良のため家族と相談の結果ドレナージのみ 12例,抗血小板剤や抗凝固剤中止困難2例,急性胆管炎併発症例や膵腫瘍治療などの二期的治療予定のための一時的なtube挿入7例であった.なお,全例チューブステント(Boston Scientific社製,FleximaTM Biliary Drainage Series 7.0Fr 7cmまたは10cm)を挿入した.[結果]全例において検査,治療に伴う重篤な合併症は認めず,比較的短時間での検査終了(平均31.5分)が可能であった.長期留置症例に対する定期的tube交換は施行しなかったが,長期留置症例における再閉塞や自然脱落による閉塞性黄疸再燃は15例中2例(13.3%)にみられた.再燃症例では閉塞後のtube交換により軽快され, tube閉塞による重篤な急性胆管炎併発は認められなかった. [結語] 胆膵疾患におけるERBD tube留置は,比較的簡便な治療法であり,超高齢者や認知症などの基礎疾患を有する症例や内視鏡的治療に伴う合併症発症が危惧される症例においては有用な治療法であると思われた. |
索引用語 |
内視鏡的逆行性胆道ドレナージ, 閉塞性黄疸 |