セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胆管癌診断・胆管癌治療1
|
タイトル |
内P-668:胆道癌に対する胆道ドレナージ成績の検討
|
演者 |
鈴木 安曇(京都第二赤十字病院・消化器内科) |
共同演者 |
真田 香澄(京都第二赤十字病院・消化器内科), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】当院における胆道ドレナージの成績を検討し,そのストラテジーについて考察する.【方法】2005年9月から2013年2月に当院で胆道癌に対して内視鏡的胆道ドレナージを施行した118例を対象とし,ドレナージの方法と成績をretrospectiveに検討した.対象例の平均年齢は73.7歳,男性/女性77/41例で,原疾患は胆管癌87例,胆嚢癌22例,乳頭部癌9例であった.ステント閉塞は胆道閉塞所見があり内視鏡的再処置を要した場合とした.ステントの開存期間はKaplan-Meier法で算出し,Log-rank検定で比較検討した.【成績】外科切除は34例に行われ,総胆管狭窄26例,肝門部胆管狭窄8例で,手術までの期間の中央値は27日であった.総胆管狭窄例では全例にPlastic stent(PS)を留置したが,胆道出血によるPS閉塞例と肝門部胆管浸潤の疑われた上部胆管癌2例では内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)に変更した.肝門部胆管狭窄例では他院に転院した1例を除き,全例で最終的にENBDを行った.非切除例は84例で,総胆管狭窄が56例,肝門部胆管狭窄が28例であった.総胆管狭窄ではPS留置37例,Metallic stent(MS)留置19例で,開存期間の中央値はそれぞれ79日,287日(p=0.0414)であった.肝門部胆管狭窄では原則として両葉ドレナージとしており,PS留置25例,MS留置3例で,開存期間の中央値はそれぞれ196日,372日(p=0.4552)であった.【考察】切除例のうち狭窄範囲の精査や残存予定肝の温存が重要となる肝門部胆管狭窄ではENBDが望ましいと考えらえた.非切除総胆管狭窄ではMSの開存期間が有意に長く,MSが有用と考えられた.非切除肝門部胆管狭窄ではMSで開存期間が長い傾向にあったが,PSの開存期間も196日と比較的長期であった.肝門部のMS留置は手技が複雑で,一旦MS閉塞をきたすとその後の処置に難渋することもあり,手技困難例ではPSも選択肢の一つになりうると考えられた. |
索引用語 |
内視鏡的胆道ドレナージ, 胆道癌 |