セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管癌治療2

タイトル 内P-670:

化学療法中に出現した閉塞性黄疸に対する治療戦略

演者 小道 大輔(県立広島病院・消化器内科)
共同演者 桑田 幸央(県立広島病院・消化器内科), 東條 加奈(県立広島病院・内視鏡内科), 大谷 一郎(県立広島病院・消化器内科), 國原 紗代子(県立広島病院・内視鏡内科), 平本 智樹(県立広島病院・内視鏡内科), 平賀 裕子(県立広島病院・内視鏡内科), 渡邉 千之(県立広島病院・消化器内科), 北本 幹也(県立広島病院・消化器内科), 山内 理海(県立広島病院・臨床腫瘍科), 篠崎 勝則(県立広島病院・臨床腫瘍科), 山田 博康(県立広島病院・消化器内科), 隅岡 正昭(県立広島病院・内視鏡内科)
抄録 【目的】近年の化学療法の進歩に伴い,当院でも臨床腫瘍科が新設されて,6年あまりが経過した.化学療法中に閉塞性黄疸が出現した際は,化学療法を中断せざるを得ないが,治療再開のためには減黄術が必要となる.当院における治療戦略と成績を提示する.【対象】当院では,化学療法は主として臨床腫瘍科で行われているが,閉塞性黄疸の徴候が出現した時点で,速やかに連絡を受けるようにしている.進行度,PS,患者の希望を含め,治療適応に関して,検討を行う.早期の治療復帰を狙って,まず,一期的な内視鏡的胆道ステント術を試みる.内視鏡治療困難例に対しては,PTCDを検討する.2011年1月~2012年12月の2年間に,化学療法中閉塞性黄疸28例に対し,胆道ステント治療を試みた.内訳は,胃癌10例,胆道癌6例,膵癌5例,大腸癌2例,卵巣癌2例,十二指腸癌1例,耳下腺癌1例,原発不明癌1例であった.【成績】当初からPTCDを行った1例を除く,27例に内視鏡的胆道ステント術を試みた.通常ERCP18例中16例(88.9%,メタリック13例,チューブ3例),DB-ERCP9例中6例(66.7%,メタリック4例,チューブ2例)に,ステントを留置(一期的治療は計18例)することができた.癌性癒着および腫瘍浸潤により,5例で内視鏡的治療を行えなかった.3例はPTCD追加せず,緩和治療に移行した.PTCDガイド下胆道ステント術を3例に施行した.なお,経過中4例に,消化管ステント術が必要となった.胆道ステント留置した25例中,15例(60%)が化学療法に,23例(92%)が在宅復帰することができた.治療後1ヶ月以内に死亡した症例はなく,偶発症は認めなかった.【結論】化学療法中に閉塞性黄疸が出現した際の原因腫瘍は多彩であり,術後例も多い.減黄後の化学療法の選択肢の検討も含めた,柔軟かつ迅速な治療計画の立案が望ましい.
索引用語 閉塞性黄疸, 化学療法