セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管癌治療2

タイトル 内P-671:

内視鏡的乳頭切開が術前減黄処置に有用であった,早期胆管内乳頭粘液産生癌の1切除例

演者 柴 浩明(東京慈恵会医大・肝胆膵外科)
共同演者 脇山 茂樹(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 今津 博雄(東京慈恵会医大・内視鏡科), 二川 康郎(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 筒井 信浩(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 北村 博顕(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 藤原 佑樹(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 奥井 紀光(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 島田 淳一(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 古川 賢英(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 熊谷 祐(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 石田 祐一(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 三澤 健之(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 矢永 勝彦(東京慈恵会医大・外科)
抄録 症例は71歳男性.眼球結膜黄染,尿濃染,掻痒感を主訴に前医を受診.閉塞性黄疸の診断で当院紹介入院となった.既往歴は陳旧性心筋梗塞,高血圧,糖尿病.腹部MRIでは,B2,B3,B4の拡張および胆管壁肥厚を認めた.腹部造影CTではB2は分岐部近くから限局性嚢胞状拡張を呈し,結節の存在が疑われた.ERCPではB2,B3は造影されず,粘液栓が疑われ,左肝管内にENBD留置した.しかしながら十分な減黄が得られなかった.次に右肝管にERBDを追加したが,減黄不十分であったため,EST施行.十二指腸乳頭部からの粘液流出良好となり,右肝管内にENBD留置した.その後は順調に減黄された.胆汁細胞診classIII.以上より左肝管からB2を主座とする胆管内乳頭粘液産生腫瘍の診断で,肝拡大左葉切除術を施行した.病理診断は高分化型腺癌で,進達度m,pT1,pN0,M(-),pStage 1,R0であった.術後経過は良好で,術後第14病日に軽快退院した.粘液栓が原因となり,ERBDでは十分な減黄が得られなかった閉塞性黄疸に対して,ESTを付加することにより良好な減黄が得られ,根治的切除可能となった早期胆管内乳頭粘液産生癌例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
索引用語 内視鏡下乳頭切開, IPNB