セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管癌治療2

タイトル 内P-672:

肝癌治療後,胆管と交通を有する肝膿瘍を来たし,紐付き胆管ステント留置にて軽快した1例

演者 天野 美緒(尾道総合病院・消化器内科)
共同演者 花田 敬士(尾道総合病院・消化器内科), 寺岡 雄吏(尾道総合病院・消化器内科), 今川 宏樹(尾道総合病院・消化器内科), 福本 晃(尾道総合病院・消化器内科), 飯星 知博(尾道総合病院・消化器内科), 小野川 靖二(尾道総合病院・消化器内科), 平野 巨通(尾道総合病院・消化器内科), 天野 始(尾道総合病院・消化器内科), 日野 文明(尾道総合病院・消化器内科)
抄録 症例は64歳,男性.平成7年よりB型肝硬変,多発HCCにて当科加療中であった.平成23年10月,MRIにて肝S8の右前区域枝分岐背側および肝門部にHCC再発を認めた.翌年1月中旬にS8病変に対してTACEを施行し,1月下旬に肝門部の病変に対してRFA施行した.特に合併症なく退院し,外来で経過観察としていたところ,7月初旬から38度台の発熱を認め,7月上旬に当院を受診した.造影MRIにて肝S8の肝膿瘍を認めたため入院加療とした.7月中旬,PTAD施行し,排膿は良好であった.7月下旬,PTAD造影をおこなったところ,膿瘍と右胆管前区域枝に交通を認めた.胆管には一部狭窄を認めており,肝癌治療後の影響と考えられた.保存的加療では改善を認めないため,胆道減圧目的に,8月上旬にERCを施行し,先端が狭窄部位を越える位置でENBDを留置した.8月中旬に7Fr.×7cm紐付き胆管ステントを留置とし,8月中旬にPTADクランプとしても問題ないことを確認後,8月下旬にPTAD抜去とした.その後は炎症反応再燃を認めず,同年11月,平成25年3月にERCにて胆管狭窄が残存しているため7Fr.×7cm紐付き胆管ステント再留置とした.肝内胆管と交通する肝膿瘍に対して,PTADに加えて紐付き胆管ステントを用いることで軽快した1例を経験した.胆管ステント下端を総胆管内にとどめることにより,乳頭括約筋機能の温存が可能であり,逆行性胆管炎の予防に効果的であった.
索引用語 紐付き胆管ステント, 肝膿瘍