セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管癌治療3・十二指腸ステント

タイトル 内P-675:

進行膵癌の全身化学療法における内視鏡的十二指腸ステントの役割

演者 亀田 亮(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵))
共同演者 安藤 知子(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 小林 智(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 上野 誠(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵)), 大川 伸一(神奈川県立がんセンター・消化器内科(肝胆膵))
抄録 【目的】膵癌の10-20%に悪性胃十二指腸狭窄(mGOO)を発症すると言われ,mGOOに対して内視鏡的十二指腸ステント(Duodenal Stent:DS)が使用されるようになったが,通常緩和治療として施行される.全身化学療法におけるDSの役割について検討する.【対象と方法】2010年4月以降にmGOOに対してDSを留置した進行膵癌41件37症例を対象にretrospectiveな検討を行った.DSの適応は,mGOOを有する切除非適応となった膵癌症例で,胃空腸吻合術が積極的適応とならないか,または患者が拒否した症例とした.平均年齢67歳.男性28例/女性13例.原疾患:膵頭部癌29例/膵体部癌12例.UICC病期:II期2例/III期7例/IV期32例.DS留置位置:vater乳頭口側13例/vater乳頭上11例/vater乳頭肛門側17例.食事可能期間や生存期間の解析にはKaplan-Meier法を用いた.【結果】処置成功率95.1%.平均手技時間28分.食事可能率94.9%.食事可能例の食事開始までの期間は89.1%が2日以内であった.DS留置後の生存期間の中央値は3.5ヶ月,食事可能期間の中央値は3.0ヶ月であった.DS留置後に全身化学療法を施行した症例は16例あった.膵頭部癌11例/膵体尾部癌5例.Gemcitabine療法5例/S-1療法9例/Gemcitabine+S-1療法2例.1次治療4例/2次治療以降12例.全身化学療法の奏功率6.7%, 病態制御率46.7%.全身化学療法施行例では,DS留置後の無増悪生存期間2.9ヶ月,DS留置後の生存期間の中央値5.1ヶ月,食事可能期間の中央値4.3ヶ月であった.化学療法施行によるDSに関連した合併症を認めた症例はなかった.【考察】DS留置後に全身化学療法を行いDS留置後の生存期間が長かった症例においても,生存期間中,比較的良好な食事可能期間が得られた.11例はDS留置によりS-1内服が可能となった.DSはmGOOを有する進行膵癌に対する全身化学療法においても有用であった.
索引用語 十二指腸ステント, 化学療法