セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管癌治療3・十二指腸ステント

タイトル 内P-678:

SEMS留置後のre-intervention困難原因の診断と対処法

演者 小穴 修平(岩手医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 春日井 聡(岩手医大・消化器・肝臓内科), 柴田 将(岩手医大・消化器・肝臓内科), 遠藤 昌樹(岩手医大・消化器・肝臓内科), 千葉 俊美(岩手医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】化学療法の進歩に伴いSEMS留置症例においても経過中ステント閉塞により頻回のre-interventionを必要とするようになった.【目的】re-intervention困難原因の診断と対処法について報告する.【対象】2002年7月~2013年3月に当科で悪性胆道狭窄症例へSEMSを留置した148例について検討した.【方法】1)re-intervention 例数・留置法2)困難例の原因とその診断法3)処置の工夫について検討した.【結果】1)SEMS留置例中56例,37.8%で経過中re-interventionを必要とした.re-intervention成功率は95.2%で,その対応は41例がPlastic stent留置で,10例が追加のSEMS留置,4例がPTCDの追加,1例が胆泥除去であった.2) ステント内へのre-intervention困難例は5例,内4例に対して原因の検索のためIDUS,POCSを施行した.症例1はcovered SEMSの症例であったがIDUSでステントの破損によるingrowthを認め,ステントトラブルによる閉塞と診断し得た.症例2はGWや各種カニューレを使用しても不成功で,SEMSの状態観察と有視下でのGWのSEMS内腔へ誘導を目的としてPOCSを施行した.SEMSを観察すると頻回のre-interventionによるステントの十二指腸側のフレアの破損・変形を認め,re-intervention 不能と判断し得た.症例3は長期留置に伴うステント下端のkinkingと判断していたが実際にPOCSで観察するとステント下端が胆管側壁に埋没しており,ステント内腔への処置は不可能であった.症例4は片葉SEMS留置後対側への追加ドレナージ不能で,SEMS内腔を観察するとメッシュが全長にわたって腫瘍と肉芽により完全に被覆されており,対側胆管入口部の閉塞が原因と診断し得た.3) 対処不能例へはステント側面のメッシュ間を通してのステント留置やEBSをSEMSの脇から上端を越えて留置する事で対応した.残る3例はPTCDで対処した.【結語】re-intervention困難要因を適切に評価・診断し,ERCPでのドレナージ処置に固執する事なく最適なre-interventionを選択し施行する事が大切である.
索引用語 re-intervention, SEMS