セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

急性胆嚢炎

タイトル 内P-679:

多発性結節性動脈炎による急性胆嚢炎と細菌性胆管炎が合併した1例

演者 木村 恵梨(岸和田徳洲会病院・消化器内科)
共同演者 若間 聡史(岸和田徳洲会病院・外科), 松浦 幸(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 中道 太郎(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 中村 彰宏(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 馬場 慎一(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 滝原 浩守(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 永田 充(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 井上 太郎(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 中野 利宏(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 植田 智恵(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 尾野 亘(岸和田徳洲会病院・消化器内科), 西野 栄世(岸和田徳洲会病院・病理検査室)
抄録 【目的】多発性結節性血管炎による胆嚢炎とそれに合併した細菌性胆管炎を経験したため発表する.【症例】68歳男性.近医で糖尿病と高血圧症で通院中.他アレルギー疾患なし.受診4日前から発熱と右季肋部痛を認め急性胆嚢炎の疑いで当院へ紹介された.肝胆道系酵素とアミラーゼの上昇,炎症反応の高値,画像所見で胆嚢の腫大と周囲脂肪織濃度の上昇を認めた.明らかな胆石は指摘できなかったが,臨床所見と検査結果から胆砂による急性胆管炎,胆嚢炎と診断し,緊急内視鏡的乳頭括約筋切開術を施行した.その際白色debrisが認められた.後日血液培養から,Citrobacter freundiiが検出され,胆管炎による菌血症と考えられた.その後,胆道系酵素の高値が継続したが肝酵素とアミラーゼの値は正常化した.自己免疫性肝炎などの検索もされたが,採血ではP-ANCAを含め陰性であった.手術可能と判断され胆嚢摘出術を行い,病理結果で壊死性血管炎による胆嚢炎と診断された.手術後は胆道系酵素を含めすべて正常化した.他臓器も評価したが他の病巣は認めなかった.【考察】限局性の血管炎による胆嚢炎は稀であり,さらに胆管炎を伴った報告は希少である.近年血管炎が細菌やウイルス感染により惹起されるとも考えられており,本症例の発症機序の説明になるかもしれない.
索引用語 多発性結節性血管炎, 急性胆嚢炎