セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

急性胆嚢炎

タイトル 内P-680:

胆石,総胆管結石を有する胆嚢・胆管炎に対するENBD,ENGBD併行留置の検討

演者 成瀬 宏仁(市立函館病院・消化器病センター消化器内科)
共同演者 山梨 香菜(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 木下 賢治(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 山本 桂子(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 大和 弘明(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 小川 浩司(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 畑中 一映(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 山本 義也(市立函館病院・消化器病センター消化器内科)
抄録 【目的】胆石と総胆管結石を有する胆嚢炎,胆管炎症例に対する,ENBDとENGBD併行留置の有用性を検討する.【対象】2007.1月~2012.9月に当科で経験した胆石,総胆管結石症例のうち,A群ENBD単独留置群44例,B群ENBD+ENGBD併行留置群41例.【方法】ERCP下胆管造影施行し,胆嚢管,胆嚢が容易に造影された場合,7.2F ENBD単独留置を施行し,胆嚢管,胆嚢が造影不良であった場合,5F ENBD+5F ENGBDの併行留置を施行した.【結果】A群とB群で,男女比,年齢,初診時T.Bil,ALP,CRPに有意差を認めず,A群に軽症例がやや多い傾向を認めた.胆管炎の重症度判定の採血項目であるT.Bil,γGTP,ALP,WBC,CRP全項目が低下を示すに要した日数は,A群2.3日,B群2.7日で有意差を認めなかった(p=0.314).ドレナージ留置5日後で検討すると,T.Bil減少率は,A群89.6%,B群89.9%で有意差は認めなかった(p=0.942).ALP減少率は,A群70.2%,B群62.4%で有意差は認めなかった(p=0.182).CRP減少率は,A群65.7%,B群75.7%で有意差を認めた(p=0.0279).ERCP3時間後血清アミラーゼ値と翌日の血清アミラーゼ値の中央値は,A群434.3と375.4,B群392.2と392.0で有意差は認めなかった(p=0.730,p=0.890).ERCP後の血清アミラーゼ値を,正常値上限の3倍以上を高アミラーゼ血症とした場合,その発現頻度は,A群27.3%,B群31.7%であった.ERCP後急性膵炎の発症率は,A群2.3%,B群2.4%であった.平均検査時間は,A群15.6分,B群25.7分で有意差を認めた(p=0.0013).【結論】胆石と総胆管結石を有する胆嚢炎,胆管炎症例に対して,ENBD+ENGBD併行留置は,ENBD単独留置に比べ,若干検査時間を要するものの,炎症反応の改善に有効で,ERCP後高アミラーゼ血症,膵炎発生率はENBD単独留置と比べ同等であり,有用と思われた.
索引用語 ENBD, ENGBD