セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

急性胆嚢炎

タイトル 内P-681:

急性胆嚢炎に対する経乳頭的ドレナージ-多施設共同調査

演者 松原 三郎(東京警察病院・消化器科)
共同演者 徳山 信行(東京警察病院・消化器科), 中井 陽介(東京大・消化器内科), 笹平 直樹(せんぽ東京高輪病院・内科), 秋山 大(日本赤十字社医療センター・消化器内科), 高原 楠昊(関東中央病院・消化器内科), 有住 俊彦(三井記念病院・消化器内科), 八木岡 浩(JR東京総合病院・消化器内科), 外川 修(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器内科), 伊藤 由紀子(日本赤十字社医療センター・消化器内科), 戸田 信夫(三井記念病院・消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科)
抄録 【目的】急性胆嚢炎に対するドレナージのアプローチルートには,経皮的と内視鏡的があり,後者には,経乳頭的と経消化管的(EUSガイド下)がある.経乳頭的アプローチの欠点としてERCP後膵炎があるが,胆管炎合併例や出血傾向のある症例などでは有用である.瘻孔形成を待たずにチューブが抜去できるという利点もあり,今回,抜去も含めた経乳頭的胆嚢ドレナージの有用性を,多施設共同でretrospectiveに調査した.【方法】共通のdatabaseを使用している全8施設で,急性胆嚢炎に対し経乳頭的ドレナージを試みた症例を拾い上げ,診療録を調査した.【成績】1998年~2013年2月の間で症例数は169であった.年齢中央値は77歳(32-100),男性127(75.1%).胆石性胆嚢炎が129(76.3%)であった.胆管結石の合併は64(37.9%)に認めた.手技的成功率は131/169(77.5%),臨床的成功率は120/131(91.6%)であった.外瘻は99(75.6%),内瘻は32であった.手技時間の中央値は45分(17-160)であった.偶発症は,膵炎6(3.6%),外瘻自己抜去6(3.6%),胆嚢管穿孔4(2.4%),胆管穿孔・GW切断・肺炎がそれぞれ1(0.6%)であった.臨床的成功120例の転帰は,外瘻→胆摘:22,外瘻→内瘻化:5,外瘻→抜去:61,内瘻→胆摘:10,内瘻→入れっ放し:9,内瘻→抜去:6,内瘻定期交換:4,その他:3であり,抜去例の抜去までの日数中央値は6日(1-40)であった.【結論】今回の多施設多数例での調査では,経乳頭的ドレナージの成功率・偶発症の頻度は既報と同程度であった.チューブの早期抜去あるいは一期的内瘻化が可能なため,胆嚢摘出術の適応外の症例では特に有用な方法であると思われる.
索引用語 胆嚢炎, 経乳頭的ドレナージ