セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

急性胆嚢炎

タイトル 内P-682:

ランブル鞭毛虫が検出された急性胆嚢炎・胆管炎の1例

演者 伊原 諒(福岡大筑紫病院・消化器内科)
共同演者 植木 敏晴(福岡大筑紫病院・消化器内科), 丸尾 達(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松村 圭一郎(福岡大筑紫病院・消化器内科), 簑田 竜平(福岡大筑紫病院・消化器内科), 大塚 雄一郎(福岡大筑紫病院・消化器内科), 野間 栄次郎(福岡大筑紫病院・消化器内科), 光安 智子(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科)
抄録 症例は70代男性.右季肋部痛があり近医を受診し,急性胆嚢炎が疑われ当科に紹介となった.Murphy徴候が陽性で,炎症所見(WBC:13600 /μl,CRP:12.06 mg/dl)があり,US・CTで胆嚢腫大,壁肥厚があり急性胆嚢炎と診断し,PTGBDを施行した.穿刺液は,エンドトキシン: >2000 pg/ml,細菌培養ではKlebsiella oxytocaが検出されたが,ランブル鞭毛虫は検出されなかった.PTGBD後炎症所見は改善したが,CT上,下部胆管に結石がありEST後に截石した.採取した胆汁からランブル鞭毛虫が検出された.下痢など症状はなかったが,Metronidazole(750 mg/日)が7日間投与された.その後,PTGBDチューブからの胆嚢胆汁と2回目のERCで採取した胆管胆汁と便からランブル鞭毛虫は検出されなかった.採取した胆管結石の結石分析ではビリルビンカルシウム81%,脂肪酸カルシウム 19%であった.本症例では,PTGBD後に炎症所見が改善し,当初細菌感染による急性胆嚢炎が考えられたが,ERCで採取した胆管胆汁から多量のランブル鞭毛虫が検出され,急性胆管炎の原因としてランブル鞭毛虫も原因の1つとして可能性が考えられた.胆管炎の際の胆管胆汁採取の重要性が示唆された.若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 ランブル鞭毛虫, 急性胆嚢炎