セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胆管結石1
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タイトル |
内P-688:総胆管結石に対するラージバルーン法による採石術の治療成績と合併症の検討
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演者 |
里見 拓也(福山市民病院・内科) |
共同演者 |
植木 亨(福山市民病院・内科), 友田 健(福山市民病院・内科), 齋藤 俊介(福山市民病院・内科), 名和 徹(福山市民病院・内科), 藪下 和久(福山市民病院・内科), 下江 俊成(福山市民病院・内科), 坂口 孝作(福山市民病院・内科) |
抄録 |
【背景と目的】近年,巨大な結石や積み上げ結石治療において,ラージバルーンを使用した採石法(Endoscopic sphincterotomy plus large balloon dilation:EPLBD)が注目されている.当院でも,2010年4月よりEPLBDを施行している.今回,当院でのEPLBD症例とEST症例で治療成績を比較し,EPLBDの有用性について検討した.【対象と方法】対象は2009年4月から2012年12月に,結石径10mm以上の総胆管結石例に対して当院で内視鏡的結石除去を施行した78例.その中で,EPLBD群54例(男:女=30:24,平均年齢77.8歳)とEST群24例(男:女=12:12,平均年齢77.8歳)で,患者背景,処置回数,総処置時間,破石例,偶発症,術後在院日数について比較検討した.【結果】EPLBD群/EST群それぞれの患者背景は,平均胆管径:16.4±0.43mm/15.2±0.65mm,平均結石短径:12.5±0.4mm/12.2±3.0mm,結石数:3.4±4.2個/2.3±1.6個であり,両群に差は認めなかった.治療成績は,EPLBD群/EST群でそれぞれ,処置回数:1.1±0.1/1.3±0.1(p<0.05),総処置時間:42.1±19.6/56.9±49.0(p=0.06),EMLによる破石例:4例(7.8%)/15例(62.5%)(p<0.05),偶発症:3例(5.6%)/2例(8.3%)(p=0.64),術後在院日数:5.47±4.7/6.58±3.7(p=0.31)であった.偶発症としては,EPLBD群では微小穿孔,胆管周囲炎,十二指腸穿孔であり,EST群では2例とも膵炎(軽症)であった.十二指腸穿孔を生じた症例はBillroth2法による術後症例であり,穿孔は結石除去時のバスケット操作によるもので,緊急手術による治療を要した.しかし,その他の偶発症に関しては保存的加療のみで軽快した.【結論】EPLBD群ではEST群と比較し,処置回数・破石例は有意に少なかった.また有意差はないが,総処置時間や術後在院日数に関しても,EPLBD群の方が少ない傾向が見られた.安全性に関しても,偶発症の発生率は両群で有意差は認められなかった.以上より,EPLBDによる採石術は,安全かつ効果的な治療法であると考えられた. |
索引用語 |
総胆管結石, EPLBD |