セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石1

タイトル 内P-689:

当院におけるEndoscopic papillary large balloon dailatation(EPLBD)の使用経験

演者 野間 文次郎(呉共済病院・消化器内科)
共同演者 山口 修司(呉共済病院・消化器内科), 岡本 志朗(呉共済病院・消化器内科), 児玉 寛治(呉共済病院・消化器内科), 畠山 剛(呉共済病院・消化器内科), 津島 健(呉共済病院・消化器内科), 関藤 剛(呉共済病院・消化器内科)
抄録 【目的】内視鏡的乳頭切開術(EST)や内視鏡的乳頭拡張術(EPBD)は総胆管結石に対する標準的な治療方法であるが,巨大結石や積み上げ結石などの症例においては内視鏡治療が困難な場合もある.しかし近年,大口径バルーンを用いた乳頭バルーン拡張術(EPLBD)の有効性が多く報告されており,これら総胆管結石症に対する内視鏡治療が可能となっている.今回われわれは,当院で経験したEPLBD症例について有効性と安全性を検討したので報告する.【方法】対象は2010年11月から2012年7月までに当科にてEPLBDを施行した男性4例,女性5例,計9例とした.平均年齢は85.6歳(80~92歳).傍乳頭憩室を有する症例は6例(66.7%)で,最大結石の平均径は18.7mm(10~25mm),全例において総胆管内に複数の結石を認めた.乳頭拡張では,13mm拡張を3例,12mm拡張を6例に施行した.乳頭拡張の前処置としては,EST6例,EPBD2例,前処置なし(チューブステント留置後)1例であった.抗血栓剤内服症例においては,事前に内服中止としている.【成績】全例で完全な排石が可能であったが,EPLBD後に1回の処置で治療を終了した症例は6例(66.7%),2回以上の処置を必要とした症例は3例(33.3%)であった.偶発症として,術後に急性膵炎を合併した症例はなかった.腹部症状のない膵酵素(膵型アミラーゼ)上昇を認めた症例を5例(55.6%)認めたが,いずれの症例でも翌日以降に軽快した.処置に伴う輸血を必要とした症例はなく,穿孔を起こした症例も認めていない.術後平均観察期間は19.6ヶ月(9~28ヶ月)で,総胆管結石再発症例は2例(22.2%)であった.【結論】今回の検討では全症例で採石成功し,大きな偶発症も認めなかったことから,EPLBDは安全で有効な治療方法と考えられた.しかし症例数が限られており,また長期予後についての検討は出来ていないため,今後も症例を集積しての検討が必要と考えられた.
索引用語 EPLBD, 総胆管結石