セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石1

タイトル 内P-690:

当院で経験した内視鏡的乳頭大バルーン拡張術(Endoscopic Papillary Large Balloon Dilation : EPLBD)の検討

演者 杉本 充(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科)
共同演者 高木 忠之(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 引地 拓人(福島県立医大附属病院・内視鏡診療部), 佐藤 匡記(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 池田 恒彦(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 渡辺 晃(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 中村 純(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 藁谷 雄一(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科), 小原 勝敏(福島県立医大附属病院・内視鏡診療部), 大平 弘正(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科)
抄録 【背景】2004年以降,比較的径の大きな総胆管結石症において内視鏡的乳頭大バルーン拡張術(Endoscopic Papillary Large Balloon Dilation : EPLBD)の有用性が報告され,2012年には胆道拡張用の大バルーンが保険収載されたことから報告例が増えている.当院における2012年のEPLBD症例の有用性と安全性を評価した.【対象】2012年1月から同年12月までのEPLBD 13症例と,それ以外の切石術 42症例.EPLBDの適応は,径が12 mm以上や,B-ΙΙ法,Roux-en-Y法,胆管空腸吻合後の総胆管結石症例としている.【使用器具】通常はJF260V,B-ΙΙ法後ではPCF-Q260AI,Roux-en-Y法後ではPCF-Q260ALを使用.【検討項目】1:患者背景(年齢,性別,腹部手術歴,結石径,結石数),2:手技時間,3:治療成績(完全切石率,偶発症).【結果】1患者背景:年齢は平均74.3 歳(30-84歳),性別は男性 8例,女性 5例.腹部手術歴は,B-ΙΙ法後 3例,Roux-en-Y法後 2例.結石径 平均 17 mm(10-30 mm),結石個数 2.5個(1-4個).2:手技時間 84.7分(40-150分).3:治療成績(完全切石率 77 %(10/13),合併症 0例)であった.一方,EPLBD以外の症例は,1患者背景:年齢は平均 64.9歳(30-88歳),性別は男性 30例,女性 12例,腹部手術歴はB-Ι法後 1例,B-ΙΙ法後 2例であった.結石径 平均 9.1 mm(3-16.3 mm),結石個数 2.0個(1-4個).2:手技時間 50分(15-120分),3:治療成績(完全切石率 78.1 %(25/32),合併症 2例(高アミラーゼ血症と乳頭切開後出血).両群を比較すると,EPLBD症例で結石径が大きく,手技時間が有意に長かったが,完全切石率には差がなく,合併症もみられなかた.【考察】手技時間がEPLBD症例で長いことに関しては,術後症例の割合が高いことが原因と考えた.巨大総胆管結石に対するEPLBDは安全かつ有用と考えた.
索引用語 EPLBD, 総胆管結石