セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石1

タイトル 内P-691:

超高齢者における内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張術(EPLBD)の有用性の検討

演者 住吉 明子(能代山本医師会病院・消化器内科)
共同演者 安次嶺 拓馬(大館市立扇田病院・総合診療科), 渡辺 大亮(能代山本医師会病院・消化器内科)
抄録 【目的】総胆管の大結石や積み上げ結石などの治療困難例においても,内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張術(EPLBD)は良好な治療成績が報告されている.しかしながら超高齢者(85歳以上)における有効性・安全性は確立していない.今回我々は,超高齢者におけるEPLBDを用いた総胆管結石截石術の有効性と安全性について検討したので報告する.【対象】2011年11月から2013年2月までの間に,当院にて総胆管大結石・積み上げ結石と診断されEPLBDを施行し治療を行った20例.超高齢者6例(平均年齢89.3歳,男/女 2/4,傍乳頭憩室又は憩室内乳頭5例)をA群,非高齢者14例(平均年齢76.1歳,男/女 10/4,傍乳頭憩室又は憩室内乳頭8例)をB群とした.【方法】術前診断にて大結石・積み上げ結石と診断された20例全例に対しCRE WG(Boston Scientific社製)を用いEPLBDを施行した.バルーンは胆管径に一致するまで拡張を行い,その後バスケットカテーテルを用いて採石を行った.術中胆道造影所見,術後の腹部超音波を用いて総胆管結石を認められないものを完全排石とした.両群での完全排石率,それに伴う合併症について検討した.【結果】完全排石率は全体で75%(15/20),A群83.3%(5/6): B群71.4%(10/14)であった.平均総胆管径はA群15.3mm:B群15.4mm(p=0.982),平均最大結石径はA群17.3mm:B群13.6mm(p=0.284)で共に有意差を認めなかった.基礎疾患はA群が虚血性心疾患2例,脳梗塞1例,糖尿病1例,B群が虚血性心疾患1例,糖尿病2例,高血圧症2例だった.平均検査時間はA群81.8分:B群 66.0分で有意差を認めなかった(p=0.329).偶発症は,術後膵炎(アミラーゼが術前の3倍以上に増加し腹痛を伴う)がA群0%(0/6):B群7%(1/14),37.5℃以上の発熱がA群16.7%(1/6):B群35.7%(5/14),腹部膨満感がA群16.7%(1/6):B群14.3%(2/14)であった.術中血圧変動等をきたし対応を要した症例は両群とも認めなかった.【結論】EPLBDは超高齢者においても安全に施行可能であり有用である可能性が示唆された.
索引用語 EPLBD, 超高齢者