セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石2

タイトル 内P-692:

胆管大結石に対するEPBDとEPLBDのmatched case-control study

演者 川畑 修平(東京大・消化器内科)
共同演者 木暮 宏史(東京大・消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 高木 馨(東京大・消化器内科), 斎藤 友隆(東京大・消化器内科), 渡邉 健雄(東京大・消化器内科), 内野 里枝(東京大・消化器内科), 濱田 毅(東京大・消化器内科), 宮林 弘至(東京大・消化器内科), 水野 卓(東京大・消化器内科), 佐々木 隆(東京大・消化器内科), 山本 夏代(東京大・消化器内科), 中井 陽介(東京大・消化器内科), 平野 賢二(東京大・消化器内科), 多田 稔(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科)
抄録 【背景】胆管大結石に対する結石治療の乳頭処置として近年,EPLBDの安全性や有用性が報告されている.一方,我々は胆管結石治療において乳頭機能を温存し得るEPBDの良好な長期成績を報告してきた.しかし大結石に対してはEPBDでは結石破砕を要する頻度が多くなり,処置回数も増え乳頭機能が温存されない可能性も危惧される.【目的】胆管大結石治療におけるEPBDとEPLBDの短期成績および長期成績を比較検討した.【方法】対象は1994年11月から2013年2月までに10mm以上の胆管結石に対してEPBDもしくはEPLBDにより結石除去を施行した265例(EPBD/EPLBD 205例/60例,平均年齢75歳(12~91歳))のうち,選択バイアスを減らすために,年齢,性別,胆管結石数,結石径で1対1のマッチングを行い,120例(EPBD/EPLBD 60/60)で検討を行った.平均最大結石径は16.5mm(10~36mm),平均結石数は2.7個(1~20個),観察期間中央値はEPBDで1134日(6-5356),EPLBDで602日(2-1722)であった.完全結石除去率,初回治療完遂率,結石破砕施行率,偶発症,結石再発率について検討した.【結果】EPBDとEPLBDの完全結石除去率は97%/98%(P=0.99)で差はなかった.初回治療完遂率は20%/73%(P<0.0001),セッション数は2.4回/1.3回(P<0.0001)で,有意にEPLBDで処置回数が少なかった.結石破砕施行率は90%/33%(P<0.0001)であり,有意にEPLBDで低かった.偶発症はEPBDで軽症膵炎2例,EPLBDで軽症膵炎1例,重症膵炎1例を認めた.ともに出血は認めなかったが,EPLBDで後腹膜穿孔を1例に認めた.結石再発は12例/9例(20%/15%)に認め,累積再発率に差を認めなかった.(P=0.529)【結論】胆管大結石に対するEPLBDはEPBDと比較して,結石破砕の頻度を減らし,ERCPの回数も減らすことができ,結石除去が容易であった.安全性や長期成績についてはさらなる検討が必要と考える.
索引用語 胆管結石, ERCP