セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石2

タイトル 内P-693:

小切開と大バルーンを用いた総胆管結石治療 SES+EPLD-乳頭大拡張時の口側隆起の評価に関して-

演者 三並 敦(川崎協同病院・内視鏡室DELIMITER浜松赤十字病院DELIMITER西横浜国際総合病院DELIMITER三鷹中央病院DELIMITER東京臨海病院DELIMITER平和台病院DELIMITER橋本病院DELIMITER太田病院)
共同演者 孫 暁梅(川崎協同病院・内視鏡室), 山瀬 博史(平和台病院), 関 誠(三鷹中央病院), 小松 永二(西横浜国際総合病院)
抄録 【目的】経乳頭的総胆管結石治療を,簡単に施行する目的でSES+EPLDを開発し手技を改良しながら,2004年より総会での発表を継続している.SES(小切開)に続くEPLD(大拡張)時に,口側隆起が拡張により鮮明になる症例とそうでない症例がある.鮮明になる症例ほど採石が容易な場合が多く,手技の難易度を図る上で重要と考え,その実状に関し評価した.【対象】総胆管結石径12mm以上または複数個の278症例に,SES+EPLDを施行した(平均結石径13.9mm平均個数2.5).成功262(94%)例のうち,結石が複数であり15mm以上で拡張時の評価が行えるものを対象とした.大拡張に至るまで(前拡張時)口側隆起が鮮明になった症例30例:Aと不鮮明な30症例:Bを拡張手技,結石除去時間(採石の難易)に関し,最新の症例からretrospectiveに検討した.2群間に有意差は認めなかった.【方法】SES後,EPLD時にバルーンウエストがある状態で口側隆起(拡張前より口側隆起が延長)が鮮明であるか否かで2群に振り分けた.手技はone handであり,結石除去法に関しては2群とも同等である.拡張時間回数,除去時間に関して録画を基に評価した.【結果】口側隆起が鮮明になる症例ほど結石除去時間が短かったA:B 12±8:15±8分.また,拡張時間回数も有意差を持って短かったA:B134±75:190±88秒. 2±1: 3±1 回.【結論】口側隆起が鮮明にならない症例は,採石が困難な場合が多い.大バルーンによる前拡張時に口側隆起を評価することで,膵内胆管の形状や胆管十二指腸付着部位,膵との関係を推測できる.隆起が鮮明でない症例の大拡張に,より注意を払うことで偶発症の発生を予防可能と考える.我々の前報告のごとく小切開後の大拡張は付着部の障害がシールされ,特に口側隆起が鮮明な症例は安全に大拡張が施行できると思われる.リスクを推測し手技を変更し対応すればSES+EPLDは,より安全で有用になる.
索引用語 EST, EPLD