セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石2

タイトル 内P-698:

当院における胆管結石に対する内視鏡的治療の検討

演者 安藤 嘉章(公立置賜総合病院・内科)
共同演者 和田 佳子(公立置賜総合病院・内科), 勝見 修一郎(公立置賜総合病院・内科), 堀内 素平(公立置賜総合病院・内科), 小林 敏一(公立置賜総合病院・内科), 齋藤 裕之(公立置賜総合病院・内科), 高野 潤(公立置賜総合病院・内科), 大村 清成(公立置賜総合病院・内科), 武田 忠(公立置賜総合病院・内科), 齋藤 孝治(公立置賜総合病院・内科)
抄録 【背景】胆管結石に対する内視鏡的治療法は低侵襲の治療法として広く普及している.当院では主に内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)後に結石載石を行っている.また,当院は地方の中核病院であり,高齢者およびADL不良な患者が多い.積極的に治療したにも関わらず,治療後の経過観察中に胆管結石の再発をしばしば認める.【目的】当院における胆管結石に対する内視鏡的治療後の結石再発率およびその背景因子を明らかにすること.【方法】2010年6月から2012年5月までに,当院で胆管結石に対してESTを施行し,完全載石し,半年以上経過観察しえた125例を対象とした.男性61例,女性64例.平均年齢は75.5歳(33歳から98歳).後期高齢者(75歳以上)は63.2%(79/125例).【結果】胆管結石再発率は13.6%(17/125例)であった.再発までの期間は291.5日(最短23日-最長719日)であった.再発回数は平均1.18回であった.再発した症例は,ご本人の希望で内視鏡検査を施行しなかった1例を除く,全例で内視鏡的に採石可能であった.結石再発に対する各種背景因子を検討したところ,年齢が75歳以上で19%(15/79例):75歳未満で4.3%(2/46例),結石個数が結石3ケ以上で31.1%(14/44例):結石1-2ケで3.7%(3/81)と年齢および結石個数で有意差を認めた.また,有意差は認めなかったが,胆管径が10mm以上とEST後胆嚢結石温存群で胆管結石が再発しやすい傾向を認めた.【結論】当院における胆管結石に対する内視鏡的治療後の胆管結石再発率は,既報よりやや高い傾向であった.その要因としては高齢者(特に後期高齢者)の割合が高いことが関係していると思われた.高齢者および結石個数が複数以上の症例では結石再発率が高いことを考慮しつつ,慎重に経過観察していくことが重要と思われた.
索引用語 胆石, EST