セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石3

タイトル 内P-700:

小腸内視鏡用オーバーチューブを用いた経口胆道鏡により治療し得た難治性結石性胆管炎の2例

演者 久保田 富秋(沖縄県立中部病院・消化器内科)
共同演者 本部 卓也(沖縄県立中部病院・消化器内科), 加藤 新(沖縄県立中部病院・消化器内科), 山田 航希(沖縄県立中部病院・消化器内科), 知念 健司(沖縄県立中部病院・消化器内科), 新城 雅行(沖縄県立中部病院・消化器内科), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院・消化器内科), 菊地 馨(沖縄県立中部病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】結石性胆管炎は,ERCPによる乳頭切開拡張,各種デバイスの使用によりほとんどの症例は砕石,排石が可能となる.しかし,再発を繰り返すなどの難治例をしばしば経験する.今回,胆管炎を繰り返す難治症例に対して,ダブルバルーン小腸内視鏡用オーバーチューブを利用した細径内視鏡による経口胆道鏡により胆道内結石,胆泥を確認,バスケット鉗子にて全ての異物を除去しえた2例を経験したため若干の文献的考察を加え報告する.【症例1】72歳男性,既往に胆嚢摘出術(40年前) ,結石性胆管炎に対して約3年前から計8回のERCP治療歴(EST,EPBD etc)あるも遺残結石あり,待機的にオーバーチューブを用いた経口胆道鏡を施行.総胆管内に多量の胆泥,結石を認め,直視下にバスケット鉗子にて5回掻き出しを行い,全ての胆泥,結石を取り除いた.7ヶ月後の経口胆道鏡にて総胆管観察,異常ないのを確認.【症例2】70歳男性,胆嚢摘出術(22年前) ,約3年前から計7回のERCP治療歴,開腹術中胆道鏡による石切術歴あり,3ヶ月前のERCPにて巨大結石2個認め,1個は砕石し排石.待機的にERCP施行.総胆管結石を破砕し複数回掻き出しを施行.ERCにて明らかな残存結石認めなかった,続いてオーバーチューブを用いた経口胆道鏡を施行.総胆管内に残存結石認め,バスケット鉗子にて把持し回収した.1年以上経過するが胆管炎の再発なし.【考察】繰り返す胆管炎の原因として総胆管の拡張,乳頭切開後,多くの胆泥などにより十分なERC像が得られず,排石処置後の残存結石の見逃しが考えられる.経口胆道鏡により,胆道内結石を胆泥と共に確認でき,また,バスケット鉗子により除去しえた.種々の挿入方法報告例がある中,細径内視鏡挿入には,小腸内視鏡用オーバーチューブを先端が湾曲する加工を施し用い,内視鏡のたわみや,肛門側への逸脱防止に有用であった.
索引用語 経口胆道鏡, 総胆管結石