セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石3

タイトル 内P-702:

超高齢者総胆管結石症に対するERCPの有効性と安全性の検討

演者 松原 悠(札幌東徳洲会病院・消化器内科)
共同演者 網塚 久人(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 巽 亮二(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 芹川 真哉(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 七尾 恭子(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 好崎 浩司(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 坂本 淳(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 木村 圭介(札幌東徳洲会病院・消化器内科), 太田 智之(札幌東徳洲会病院・消化器内科)
抄録 【背景】総胆管結石や総胆管結石に関連する疾患の治療において,超高齢者へのERCPは各施設間で積極性に差があるのが現状である.超高齢者は基礎疾患を有する場合が多く,ERCP後の偶発症やADL低下など治療による全身状態の悪化が懸念されることが一因と考える.超高齢者に対するERCPの成績を検討した報告は多いが,入退院にかけてADLの推移を明示している報告は少ない.【目的】当院で経験した超高齢者総胆管結石症へのERCPの安全性と有用性を検討する.【方法】対象は2011年3月から2013年2月の間に,当院で総胆管結石または総胆管結石に起因する病態と診断しERCPを施行した226例395件のうち,85歳以上の超高齢者59例115件.検討項目は(1)患者背景(2)治療内容・成績(3)偶発症・死亡率(4)84歳以下の症例との比較検討(有意水準5%未満)(5)入院時と退院時ADLの変化.【結果】(1)症例の内訳は男性22例女性37例.心肺疾患・脳疾患の既往32例(54.2%).抗血栓薬の内服21例(35.6%).治療契機は総胆管結石23例,急性胆管炎22例,胆石膵炎9例,閉塞性黄疸5例.(2)カニュレーション成功115件中109件(94.8%).術中鎮静剤はジアゼパムを用い,初回治療時の投与平均量5.84±2.49mg.初回施行内容は一期的排石20例,EBD留置21例,ENBD留置13例,造影のみ2例,施行不可3例.治療回数平均は1.95±0.87回.内視鏡的完全排石率は93.2%.(3)偶発症は膵炎2件,ESTによる穿孔3件,自己抜去3件.期間中の再発1例(1.7%).死亡は3例(5.1%),死因は他病死であった.(4)主な結果として偶発症率は非超高齢者で有意に高く,死亡率は超高齢者で高かった(いずれも他病死).(5)Barthel indexが入院時32.80±4.42点,退院時49.24±4.75点と有意に改善した.【結論】当院での超高齢者へのERCP治療成績は非超高齢者と比べ遜色なく,入退院にかけてADL低下も示さなかった.以上より超高齢者であっても安全にERCPが施行できたと考える.
索引用語 ERCP, 超高齢者