セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胆管結石3 |
---|---|
タイトル | 内P-703:当院における超高齢者に対する内視鏡的総胆管結石治療 |
演者 | 中村 英明(北海道消化器科病院・内科) |
共同演者 | 碇 修二(北海道消化器科病院・内科), 堀田 彰一(北海道消化器科病院・内科), 町田 卓郎(北海道消化器科病院・内科), 木下 幸寿(北海道消化器科病院・内科), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院・内科), 加藤 貴司(北海道消化器科病院・内科), 佐々木 清貴(北海道消化器科病院・内科), 山田 裕人(北海道消化器科病院・内科), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院・内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院・内科) |
抄録 | 【背景】人口の高齢化に伴い高齢者の総胆管結石に対する内視鏡的治療は増加していくものと推測される.今回我々は当院における85歳以上の超高齢者に対する内視鏡的総胆管結石治療に関して検討した.【対象と方法】2006年1月から2012年12月までに当科で経験した総胆管結石初発症例で内視鏡的治療を施行した455例を85歳以上の超高齢者群(64例:男性28例女性36例,平均年齢89.0歳)と85才未満の対照群(391例:男性237例女性154例,平均年齢65.9歳)に分け,両群の1)既往歴2)初発症状3)結石の状態4)治療法5)偶発症(Cottonらの報告に準ずる)に関して比較検討した.【結果】1)既往歴:心疾患と脳血管疾患は超高齢者群で有意(p<0.001)に高率だった.既往歴を反映して超高齢者群では抗凝固剤・抗血小板剤服用中の症例が有意(p<0.05)に多かった.2)初発症状:超高齢者群では腹痛で発症する症例が有意(p<0.001)に少なく,無症状の症例は有意(p<0.05)に多かった. 3)結石の状態:平均結石径は超高齢者群8.1±6.8mm,対照群6.3±4.0mm,平均結石個数は超高齢者群4.7±5.4個,対照群3.3±3.0個で超高齢者群では結石径,個数共に有意(p<0.001)に高値だった.4)治療法:内視鏡的截石成功率は,超高齢者群では94.8%で対照群の成功率(99.2%)に比べると有意(p<0.01)に低値だった.超高齢者群で2例が初回治療後基礎疾患である慢性心不全の増悪を認めた為,截石続行を断念していた. 5)偶発症:ERCP後膵炎と消化管穿孔の発症率は二群間で有意差を認めなかったが,超高齢者群では出血の発症率が有意(p<0.01)に高率だった.【結語】超高齢者における総胆管結石症例の内視鏡的治療は有用と考えられた.しかし施術に伴う偶発症や基礎疾患の増悪も懸念され慎重な配慮が必要と考えられた. |
索引用語 | 超高齢者, 総胆管結石 |