セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胆管結石4
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タイトル |
内P-708:十二指腸球部に瘻孔を形成した合流部結石(confluence stone)の一例
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演者 |
邉見 雄二郎(葛城病院) |
共同演者 |
山本 達雄(葛城病院), 藤本 洋和(葛城病院), 津川 猛士(葛城病院), 李 尚憲(葛城病院), 藤本 喜代成(葛城病院) |
抄録 |
【症例】57歳男性【臨床経過】平成24年8月下旬,腹部膨満感と皮膚横染を主訴に受診.血液検査でT-Bil:6.55mg/dl,D-Bil:3.94mg/dl,AST:233mg/dl,ALT:324mg/dl,CA19-9:180U/mlと肝障害と腫瘍マーカーの上昇を認めた.腹部超音波検査では総胆管が胆嚢管と合流する位置で途絶しており総胆管結石,胆管癌を疑い入院となる.翌日MRCPを施行したところ,胆嚢頚部付近に総胆管を右背側から圧迫する低吸収域を呈する領域があり結石と考えられた.第3病日ERCPを施行したところ十二指腸球部前壁に粘膜の引きつれを伴う不整を認め,十二指腸腫瘍による総胆管圧排の可能性も完全には否定できなかった.総胆管造影では胆嚢管は造影されず,総胆管中央やや肝側で著明に狭窄していた.胆汁を採取し細胞診を行い,最後にERBD(7Fr,10cm長のpig tail stentを挿入)を行い終了した.胆汁細胞診に悪性所見は見られなかった.以上よりMirizzi症候群あるいは合流部結石(confluence stone)と考えたが,3管合流部近傍の総肝管に右方から偏側性の辺縁平滑な圧迫狭窄像を認め合流部結石(confluence stone)と診断した.第13病日の血液検査でT-Bil:1.00mg/dl,D-Bil:0.55mg/dl,AST:38mg/dl,ALT:71mg/dl,CA19-9:38.1U/mlと改善しており,第14病日外科的治療を行った.術中所見で結石のある胆管と十二指腸球部が癒合が確認され,結石載石術+胆管空腸吻合+小腸小腸吻合+十二指腸瘻孔縫合閉鎖を施行し終了.術後経過は良好で第29病日退院となる.【考察】十二指腸瘻を合併する合流部結石(confluence stone)は比較的希な疾患であり,腹部超音波検査,腹部CTでは確定診断が困難な場合もありERCPによる総胆管造影によりその特徴的な所見が診断の大きな手段となりうる. |
索引用語 |
合流部結石, 十二指腸瘻 |