セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胆管結石4

タイトル 内P-710:

一般病院における胆管炎死亡6人の考察

演者 三木 英保(船橋二和病院)
共同演者 阿部 学(船橋二和病院)
抄録 (目的)急性胆管炎は致命的な疾患で,消化器科では消化管出血と並び緊急処置を要する.当院における胆管炎,特に死亡症例を振り返り,今後に役立てたいと思います.(方法)当院は約300床の中規模病院で,ERCPは消化器内科医1人と,外科医1人の2人で行っている.平成15年から平成24年の10年間のERCP数は562件で,ほとんどが胆管炎の治療です.例えば最近の3年間で内視鏡的に確認した急性閉塞性化膿性胆管炎の人は10人,ERCP実施まで平均2.0日で治療していて,それなりの成績と思われるが,この10年間で胆管炎が直接死因と思われる人も6人いたので検討した.(成績)平均年齢は85.8才 .女4人,男2人.病名は,総胆管結石3人,がん3人.入院期間は平均19.2日間.総胆管結石は,2人で1cm,1個だった.1人は不明.3人共,3日以内に死亡している.平均入院期間は2.7日間.2人は病状が厳しくERCPはできなかった.他の1人は,PTCDをしたが十分にドレナージできなかった.急性胆管炎の重症度判定基準の「重症」の4項目(ショック,菌血症,意識障害,急性腎不全)については,3人共入院して24時間以内に寒気が有り,後に菌血症を確認した.菌血症は他の項目より早く発症する傾向が有った.医師体制が取れず,1日早くERCPできず,救命できなかったと思われる方が1人居た.がんの3人は,平均入院期間35.3日間.ERCPは2人に行われ,1人はステントが狭窄部を十分超えていなかった.もう1人は,ステントが逸脱した.もう1人はADLが悪く胆管ステントの入れ替えを断念した.(結論).がんについては,胆管ステント技術を高めていきたい.総胆管結石症については,急変するので体制が厳しい中でもより確実に救命していく為に,特に菌血症を示唆する寒気,悪寒を伴う急性胆管炎の場合には,緊急の胆道ドレナ-ジをしていきたい.なお最近,総胆管結石を早く的確に診断する目的で,胆道疾患を疑う場合,CTは総胆管結石を見つけやすい冠状断をルチンで追加撮影する事にした.体動が有る認知症の方などMRCP不適な石灰化のある胆石に向いている.
索引用語 胆管炎死亡, ERCP