セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-治療1

タイトル 内P-715:

重症急性膵炎後に膵液瘻を形成し,膵尾部切除後にEUS下ドレナージを施行し軽快した1例

演者 入江 邦泰(藤沢市民病院・消化器内科)
共同演者 木本 華織(藤沢市民病院・消化器内科DELIMITER藤沢市民病院・外科), 福地 剛秀(藤沢市民病院・消化器内科), 小林 槇(藤沢市民病院・消化器内科), 手塚 瞬(藤沢市民病院・消化器内科), 小林 亮介(藤沢市民病院・消化器内科), 守田 誠恵(藤沢市民病院・消化器内科), 矢原 青(藤沢市民病院・消化器内科), 松尾 憲一(藤沢市民病院・外科), 岩瀬 滋(藤沢市民病院・消化器内科), 仲野 明(藤沢市民病院・外科)
抄録 症例は54歳男性.平成23年7月下旬起床後より腹痛を自覚し当院救急外来を受診.急性膵炎の診断で入院加療の方針となった.入院時所見は軽症であったが,第3病日に施行した造影CTにおいて,重症基準を満たしたために中心静脈栄養とともに経管栄養を開始した.その後経過良好であったが,第25病日に症状再燃,膵酵素の逸脱を認め,造影CT検査で膵頭部に造影不良域を認めるとともに腎下極以遠までの炎症波及像を認めており,再度重症膵炎に対する治療を開始した.その後,症状は軽快したが膵頭部および膵尾部に膵液瘻の形成を認め,経皮・経内視鏡的ドレナージは困難であるため,FOY,ウリナスタチン,オクトレオチド投与により経過観察したところ,膵頭部の膵液瘻は縮小・消失したが,尾部の膵液瘻は改善を認めなかった.膵尾部膵液瘻に関して膵体部の主膵管離断が原因と考え,第174病日に経乳頭的膵管ステント留置を試みるも,主膵管は頭部で狭小化しており困難であった.早期社会復帰への希望強く,オクトレオチド投与を中止後も膵液瘻の増大を認めないために,第215病日に経口摂取を開始した.その後,膵液瘻の増大なく第237病日に自宅退院の方針としたが,第265病日に再度左側腹部痛が再燃し,当院を受診された.造影CTにて,膵液瘻の破裂と膵液瘻内に仮性動脈瘤形成を認めたため,IVRによる短胃,動脈に対するcoilingを施行後,症状の軽快を認めた.第314病日に当院消化器外科において,膵尾部・脾合併切除を施行した.術後経過良好であったが,第323病日に発熱を認め,造影CTにて胃背側(網嚢内)に新規膵液瘻形成および膿瘍化していた.胃前庭部よりEUS下膿瘍ドレナージを施行し,発熱および炎症反応の改善を認め,第357病日に軽快退院となった.膵炎後の膵液瘻治療には,難渋することが多いが,外科的加療とともに軽快した症例を経験したため,報告する.
索引用語 膵液瘻, EUS