セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-治療1

タイトル 内P-717:

造影EUSを用いた切除不能膵癌に対する抗癌剤治療効果予測の検討

演者 山下 泰伸(和歌山県立医大・2内科)
共同演者 上田 和樹(和歌山県立医大・2内科), 田村 崇(和歌山県立医大・2内科), 糸永 昌弘(和歌山県立医大・2内科), 吉田 岳市(和歌山県立医大・2内科), 前田 浩輝(和歌山県立医大・2内科), 前北 隆雄(和歌山県立医大・2内科), 井口 幹崇(和歌山県立医大・2内科), 玉井 秀幸(和歌山県立医大・2内科), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 目的:膵癌や他の癌種において,画像診断で描出される腫瘍内血流が全身化学療法の治療効果予測として有用であることが報告されている.そこで,造影EUSによる治療前膵腫瘍内血管の評価が化学療法効果予測に有用であるかについて検討した.対象と方法:化学療法前に造影EUSよる血流評価を行った非切除膵癌39症例を対象とした.患者は造影EUSによる腫瘍内血管の有無にて血管陽性群と陰性群の2群に振り分けた.それら2群での無増悪生存期間,全生存期間について検討した.結果:造影EUS画像不良にて血流の判断が行えなかった2例が除外され,37症例が解析対象となった.造影EUSにより20例が陽性群,17例が陰性群と判断された.陽性群,陰性群での無増悪生存期間中央値はそれぞれ203日,90日と陽性群で有意に生存期間の延長を認めた(P = 0.037).全生存期間中央値はそれぞれ295日,172日と陽性群で有意に生存期間の延長を認めた(P = 0.027).多変量解析で,血管陽性は全生存期間に関連する独立因子して抽出された(hazard ration = 0.22, 95% confidence interval: 0.08-0.53).結語:造影EUSによる化学療法前腫瘍血管評価は非切除膵癌における化学療法効果予測に有用であった.
索引用語 膵癌, 化学療法