セッション情報 | ワークショップ10(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)患者にやさしい大腸内視鏡検査の工夫 |
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タイトル | 内W10-2:当院における大腸内視鏡検査システムに対する安全対策のトータルコーディネート |
演者 | 白倉 立也(松島病院・大腸肛門病センター) |
共同演者 | 鈴木 康元(松島病院・大腸肛門病センター), 西野 晴夫(松島病院・大腸肛門病センター) |
抄録 | 当院では大腸内視鏡検査専門施設として1987年に開院し、年間計2万件以上の検査・治療を実施しているが、重篤な合併症や偶発症の発現は0.001%(2003年~2007年)と極めて低率に留まっている。ところで、大腸内視鏡検査は昨今の大腸癌の増加に伴い今後更に需要の増加が見込まれることや1回限りではなく定期的なフォローアップが必要となる検査であることから、被検者に優しくかつ安全な手技・管理が求められる検査である。しかし、大腸内視鏡検査は安全管理の上で多岐に渡る配慮・対策・工夫が必要な検査であるため、これらは単独ではなく有機的に結合して実施し安全な検査の流れを作ることが重要である。当院ではカルテ・検査所見・個人票(内視鏡検査に関わる被験者情報を記載したデータシート)を元に以下の安全対策を行っている。 1)事前リスク評価と前処置法の選択:外来医が診察結果およびカルテ・検査所見・個人票情報を元に検査実施の是非や前処置法を選択。2)確実かつ安全な前処置の実施:各部署専属の看護師が下剤服用時や浣腸実施時の被検者を管理。3)内視鏡実施医の配置:挿入困難症例や高リスク症例はベテラン医が担当。4)スコープ・挿入手技・sedation法の選択:内視鏡実施医がカルテ・検査所見・個人票情報を元に適切なスコープ・挿入手技・sedation法を選択。5)安全なsedation管理:検査前から離床まで同一のストレッチャー上にて被検者を管理し、その間のバイタル変化に留意。6)次回検査への情報伝達:次回検査時には更に優しくかつ安全な検査を行えるように上記経過の情報を個人票に記載。 当院では大腸内視鏡検査専門病院として各部所に専門の担当者を置き、上記をはじめとした安全対策をトータルにコーディネートしているが、「安全な検査=優しい検査」と考え今後も更なる改良が必要と考えている。 |
索引用語 | 大腸内視鏡, 安全対策 |