セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-治療2

タイトル 内P-721:

当院における膵石症治療の現況

演者 三谷 誠一郎(ベルランド総合病院・消化器内科)
共同演者 佐藤 慎哉(ベルランド総合病院・消化器内科), 廣瀬 哲(ベルランド総合病院・消化器内科), 大倉 康志(ベルランド総合病院・消化器内科), 長谷川 義展(ベルランド総合病院・消化器内科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院・消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院・消化器内科)
抄録 【背景】膵石症に対しては体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)を併用した内視鏡治療の有用性が報告されており,当院でも2012年3月に結石破砕装置を導入して以来,ESWLを併用した内視鏡的膵管切石術を行っている.今回我々は当院における膵石症の治療成績について検討を行った.【対象と方法】2012年3月から2013年2月までに当院で治療した膵石症7例.原則として疼痛といった症状を有するものを適応としている.全例男性で,有症状は6例(86%),平均年齢は61.7歳(49-82歳),アルコール性は5例(71%),特発性は2例(29%),糖尿病の併存は3例(43%).平均最大結石径は13.6mm(5.4-21.7mm)で,治療の対象とした結石の局在部位は頭部4例,体部2例,頭部+体部1例であった.当院では原則膵管ステントを留置した上でESWLを先行して行っている.ESWL施行後も結石が遺残していると考えられた際には内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)を付加せずに膵管ステントをサイズアップさせていき,最終的にバスケットカテーテルにより切石するという方法を基本としている.結石破砕装置にはドルニエ社Delta II UIMSを使用している.【結果】平均ESWL施行回数は3.7回(1-8回)で結石破砕効果は7例全てで認められた.主膵管内の結石を完全切石できたのは5例(71%)であったが,残り2例についても現在継続治療中である.症状を有する5例では全例で除痛が得られた.治療に伴う重篤な偶発症はなく,膵石を完全切石できた症例において平均80日(17-193日)の観察期間中には再発はみられなかった.【結論】全例で結石破砕効果及び除痛が得られており,ESWLを併用した内視鏡的治療は有効であると思われた.一方で症例の蓄積,長期成績の検証を行い,効率的で安全な治療のために更なる検討が必要であると考えられた.
索引用語 膵石, ESWL