セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-治療2

タイトル 内P-723:

慢性膵炎治療における膵管ステントのトラブルシューティング

演者 新後閑 弘章(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科)
共同演者 前谷 容(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 大牟田 繁文(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 権 勉成(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 齋藤 倫寛(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 徳久 順也(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 成木 良瑛子(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科)
抄録 【背景】慢性膵炎に対する膵管ステントを用いた内視鏡治療は,低侵襲治療として確立しており,疼痛消失や緩和,急性増悪や膵石の再発予防,膵機能改善効果などを目的とし行われている.Plastic stent(PS)による膵管ドレナージは再留置が可能であり,廉価であることより広く普及している.多くのPSは迷入・逸脱防止のフラップが備わっているが,時に膵管内への迷入を来たすことや,抜去に難渋するといったステントトラブルを経験することもある.【目的】当院でのERCPをRetrospectiveに検証し,慢性膵炎における膵管ステントトラブルについて考察する.【方法】2003年8月から2012年12月までに施行した3798回のERCPのうち,慢性膵炎に対する675回のERCPを後ろ向きに解析し,PS留置におけるステントトラブルおよびその対処法を考察した.なお,ERCP後膵炎やステント閉塞は除外した.【結果】PS留置は241回施行しておりステントトラブルは10例(4.1%)に認めた.内訳は迷入5例(2.1%),ステント断裂4例(1.7%),通常通り抜去出来なかった症例を1例(0.4%)認めた.ステント回収方法は,3例は把持鉗子,5例はスネア,1例は採石用バスケット,1例は内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)チューブを使用し回収した.ステント断裂症例1例を除きすべて回収可能であった.回収不能であった症例は,PS留置12カ月後に自然排泄し遺残症例はない.また回収手技による偶発症はなかった.【考察】慢性膵炎に対するステント治療において,PSによるステントトラブルは希な偶発症として経験する.ステント迷入や断裂などの抜去困難例に対しては回収用処置具以外にも様々なデバイスや内視鏡関連手技を応用することでリカバリーすることが可能であった.デバイスの特性や内視鏡関連手技に精通し,臨機応変に対応する必要があると考えられた.
索引用語 膵管ステント, 慢性膵炎