セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-診断1

タイトル 内P-726:

IPMNの粘液塊と壁在結節の鑑別におけるBモードEUSの効果と追加造影EUSの必要性に関する検討

演者 寺田 弘子(和歌山県立医大・2内科)
共同演者 上田 和樹(和歌山県立医大・2内科), 田村 崇(和歌山県立医大・2内科), 山下 泰伸(和歌山県立医大・2内科), 糸永 昌弘(和歌山県立医大・2内科), 前田 浩輝(和歌山県立医大・2内科), 前北 隆雄(和歌山県立医大・2内科), 井口 幹崇(和歌山県立医大・2内科), 玉井 秀幸(和歌山県立医大・2内科), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 【背景と目的】以前我々は,EUSで指摘し得たIPMN隆起性病変のうち,切除病理検討可能であった17例において,術前に造影EUSを行なった結果,隆起性病変への血流を認めなかった4例は全例粘液塊で,血流を認めた残り13例のうち隔壁肥厚1例を除いて,12例で壁在結節を認めたことより,IPMNの粘液塊と壁在結節の鑑別に造影が有用であることを報告した.(J Ultrasound Med. 2013 Jan )今回,BモードEUS観察でのIPMNの粘液塊と壁在結節の鑑別の可能性について検討し,造影EUSの結果と比較した.【対象と方法】前回の造影EUSの検討を含む2009年3月から2012年12月までにEUSで隆起病変を認め,手術され病理学的に壁在結節の有無が評価可能であったIPMN18例を対象とした.観察項目としてBモードに関しては隆起病変の内部エコー像が均一か不均一(内部が薄く抜ける)を評価し,造影に関しては,前回同様に隆起病変への血流の有無を評価した.【結果】病理学的検索の結果14例で壁在結節,4例が粘液塊を認めた.Bモード観察において,壁在結節14例中,13例が均一で1例のみが不均一であり,粘液塊4例中,3例が不均一,1例が均一であった(P=0.019).BモードEUS観察における壁在結節に対する感度,特異度,正診率はそれぞれ,93%(13/14),75%(3/4),89%(16/18)であった.一方,BモードEUSで診断ができなかった2例を含め,造影EUSでは全例で鑑別診断が可能であった.【結語】IPMNの粘液塊と壁在結節の鑑別においてBモードEUS観察は有用であるが,少なからず鑑別困難な症例も存在するため,追加造影EUSを行なうことが望ましい.
索引用語 IPMN, EUS