セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-診断1

タイトル 内P-728:

ENPD留置により診断し得た,膵微小浸潤癌の一例

演者 津村 英隆(兵庫県立がんセンター・消化器内科)
共同演者 武川 直樹(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 三村 卓也(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 櫛田 早絵子(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 坂本 岳史(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 飛松 和俊(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 山本 佳宣(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 三木 生也(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 津田 政広(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 西崎 朗(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 井口 秀人(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 千堂 宏義(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 藤野 泰宏(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 富永 正寛(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 増田 充弘(神戸大・消化器内科)
抄録 症例は60歳代,女性.主訴は腹部膨満感.近医での腹部エコー検査にて膵管拡張を指摘され,膵精査目的で当院紹介となった.造影CT検査,超音波内視鏡検査では,膵内に明らかな腫瘤は指摘できず,膵体尾部主膵管の拡張を認めた.MRCP検査では膵体部から急峻なφ4-5mmの主膵管拡張を認めた.小膵癌を疑いERCPを施行し,体部主膵管のわずかな狭窄及びMRCP検査の所見同様の急峻な尾側膵管拡張を認めた.ENPDチューブを留置後,3回の膵液細胞診を提出し,class V(腺癌)と診断され,膵体尾部切除術が施行された.病理標本では,拡張した主膵管及び分枝膵管に低乳頭状の異形上皮が広がり,分枝膵管の一部には上皮内癌及び微小浸潤癌を認めた.狭窄が疑われた部位には,明らかな腫瘍は認めなかったが,炎症細胞浸潤が疑われた.分枝膵管に認めた癌が局所的な小葉炎を起こし,主膵管に狭窄及び膵管拡張を来した可能性が示唆された.今回ENPD留置が有用であった,分枝膵管に認めた上皮内癌及び微小浸潤癌を経験したため,文献的考察を含めて報告する.
索引用語 膵微小浸潤癌, ENPD