共同演者 |
石原 武(千葉大・消化器内科), 多田 素久(千葉大・消化器内科), 三方 林太郎(千葉大・消化器内科), 太和田 勝之(千葉大・消化器内科), 黒澤 浄(千葉大・消化器内科), 齋藤 将喜(千葉大・消化器内科), 伊藤 禎浩(千葉大・消化器内科), 大山 広(千葉大・消化器内科), 西川 貴雄(千葉大・消化器内科), 杉山 晴俊(千葉大・消化器内科), 酒井 裕司(千葉大・消化器内科), 露口 利夫(千葉大・消化器内科), 大塚 将之(千葉大・臓器制御外科), 宮崎 勝(千葉大・臓器制御外科), 原 太郎(千葉県がんセンター・消化器内科), 山口 武人(千葉県がんセンター・消化器内科), 横須賀 收(千葉大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】術前に超音波内視鏡(EUS)を施行したIPMN手術例を対象として,組織亜型別の術前画像所見の特徴を検討すること.【方法】対象は2003年5月から2011年5月に当院及び関連の1施設において術前にEUSを行ったIPMN外科切除例のうち組織亜型分類を行った58例.平均年齢67.9歳.男性35例,女性23例.全例切除標本で病理組織学的にIPMNと確定診断が得られた.切除標本を用いてHE染色とMUC染色による組織亜型分類を行った.異型度に基づきlow grade dysplasia(LD),intermediate-grade dysplasia(ID),high grade dysplasia(HD),invasive carcinoma(IC)に分類し,LDとIDを良性,HDとICを悪性とした.EUSで術前に計測した結節径,主膵管径,拡張分枝径と術後病理所見を比較した.【結果】肉眼型は主膵管型12例,分枝型25例,混合型21例.組織亜型は胃型27例,腸型23例,胆膵型7例,好酸性顆粒細胞型1例.各亜型の悪性率は胃型22%,腸型70%,胆膵型86%,好酸性顆粒細胞型100%.全症例を対象にEUSの各所見を検討すると結節径(P=0.0045)と主膵管径(P=0.0006)が悪性群で有意に高値を示した.胃型症例に限定すると結節径は良性群と悪性群で有意差を認めず,主膵管径が悪性群で有意に高値(P=0.015)を示した.胃型症例の良悪性鑑別のため主膵管径でROC曲線を作成するとAUC0.829,cut off値を7.5mmに設定すると感度83%特異度91%正診率89%であった.腸型症例に限定すると主膵管径は良性群と悪性群で有意差を認めず,結節径が悪性群で有意に高値(P=0.019)を示した.腸型症例の良悪性鑑別に結節径でROC曲線を作成するとAUC0.813,cut off値5.5mmで感度88%特異度71%正診率91%であった.【結語】結節径と主膵管径がIPMNの術前良悪性診断に有用であるが,組織亜型毎にそれぞれの画像所見の特徴が異なる可能性が示唆された. |