セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-診断2

タイトル 内P-734:

膵疾患に対するソナゾイド造影EUSの有用性の検討

演者 三方 林太郎(千葉大・消化器内科)
共同演者 石原 武(千葉大・消化器内科), 多田 素久(千葉大・消化器内科), 多和田 勝之(千葉大・消化器内科), 黒澤 浄(千葉大・消化器内科), 伊藤 禎浩(千葉大・消化器内科), 大山 広(千葉大・消化器内科), 石井 清文(千葉大・消化器内科), 西川 貴雄(千葉大・消化器内科), 杉山 春俊(千葉大・消化器内科), 酒井 祐司(千葉大・消化器内科), 露口 利夫(千葉大・消化器内科), 清水 宏明(千葉大・臓器制御外科), 大塚 将之(千葉大・臓器制御外科), 加藤 厚(千葉大・臓器制御外科), 吉富 秀幸(千葉大・臓器制御外科), 宮崎 勝(千葉大・臓器制御外科), 横須賀 收(千葉大・消化器内科)
抄録 【目的】膵疾患診療におけるソナゾイド造影EUSの有用性の検討.【対象と方法】2011年4月より2013年2月に,手術あるいはEUS-FNAで組織病理学的診断を確定させた膵充実性病変19例(膵癌:10例,自己免疫性膵炎AIP:6例,腫瘤形成性膵炎MFP:3例)および膵嚢胞性腫瘍19例(IPMN18例,MCN1例)を対象とした.ALOKA Prosound α-10およびOLYMPUS GF-UE260を用い,ソナゾイドは0.015ml/kgをボーラス静注した.膵充実性病変については肉眼的な血流評価を行い,造影1分後の周囲膵実質とのintensity比,およびピークから10秒後および造影1分後のintensityの減少率(%)について検討を行った.被検者の呼吸性移動を伴うため,詳細なecho-intensityの評価には,各時点でのヒストグラムを作成しROIを設定し定量的に評価した.膵嚢胞性腫瘍について造影前後での結節径について比較検討を行った.【結果】膵癌では10例全例がhypovascular,MFPはisovascular 2例,hypovascular 1例, AIPは周囲膵実質と比較可能であった2例でhypovascularであった.造影60秒後の周囲膵実質とのintensity比は膵癌と炎症性腫瘤(MFP+AIP)はそれぞれ平均0.56と0.62,造影60秒後のintensityの減少率はそれぞれ平均35.5%と31.4%と有意差は見られなかったが,ピーク10秒後のintensityの減少率がそれぞれ平均31.5%と16.5%と有意に膵癌で高かった(p=0.04).膵嚢胞性腫瘍における造影前後での結節径は,造影前が平均7.6±3.2mm,造影後が5.6±3.6mmで,5例でほぼ不変であったが,14例で造影前よりも結節径が小さく描出された.【結論】ソナゾイドEUSによる詳細な血流評価により膵充実性病変の質的診断が可能となる可能性が示唆された.また膵嚢胞性腫瘍においては粘液が混在する結節において,より正確に結節径を測定でき有用と思われた.
索引用語 ソナゾイド, 造影EUS