セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)膵臓-診断3・膵症例 |
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タイトル | 内P-738:特異的な超音波内視鏡所見を呈した膵lymphoid hyperplasiaの一切除例 |
演者 | 佐藤 悦基(昭和大病院・消化器内科) |
共同演者 | 北村 勝哉(昭和大病院・消化器内科), 山宮 知(昭和大病院・消化器内科), 石井 優(昭和大病院・消化器内科), 岩田 朋之(昭和大病院・消化器内科), 野本 朋宏(昭和大病院・消化器内科), 吉田 仁(昭和大病院・消化器内科), 藤森 聰(昭和大病院・消化器・一般外科), 榎並 延太(昭和大病院・消化器・一般外科), 青木 武士(昭和大病院・消化器・一般外科), 村上 雅彦(昭和大病院・消化器・一般外科), 笹森 寛人(昭和大病院・放射線科), 扇谷 芳光(昭和大病院・放射線科), 後閑 武彦(昭和大病院・放射線科), 大池 信之(昭和大病院・病理学), 諸星 利男(昭和大病院・病理学) |
抄録 | 【症例】症例は73歳女性.既往に50歳時,胆嚢結石に対して胆嚢摘出術が施行されている.人間ドッグでのFDG-PETにて膵体尾部に高集積を認めたため精査目的にて2012年秋に当科を紹介受診された.血液検査所見は,腫瘍マーカーやIgG4を含む免疫学的検査,内分泌機能も含め正常値であった.CT,MRCP,MRIでは,膵体尾部に30mm大の腫瘤性病変を認め,EUSでは内部に低エコー域を含む高エコーな結節性病変を3ヶ認め,他の画像検査とは異なる特異的な所見を認めた.結節性病変に対してEUS-FNABを施行したところ,細胞診では軽度の異型細胞を認めClassIIIであったが,組織診では悪性所見は認めなかった.膵癌が否定できず,2013年初冬に膵体尾部切除術が施行された.切除標本の病理組織像では多数のリンパ濾胞を含む炎症性細胞浸潤や繊維化病変が不均一に,一部結節様に認められ,膵実質炎,膵管周囲炎,神経周囲炎を伴っていた.悪性所見は認めず,現時点ではlymphoid hyperplasiaやfollicular pancreatitisと報告されている稀な病態に相当すると考えられた.【考察】膵lymphoid hyperplasiaの一切除例を経験した.他の画像検査と異なる画像所見を呈した超音波内視鏡像は,結果的に炎症性変化や繊維化をきたした膵実質像が描出された可能性が考えられた.また,病因としては感染や自己免疫疾患,アルコール性,閉塞性膵炎などは否定的で,特発性と考えられた.本疾患は臨床的に非常に稀な病態であり,疾患概念も確立しておらず,報告例も少なく,文献的考察を加え,報告する. |
索引用語 | 膵lymphoid hyperplasia, 超音波内視鏡 |